
公開日 1959/08/01 95分
時代の移ろいを感じる。
初めてこの作品を観た時は、密室での息をもつかせぬ台詞の応酬とその展開に舌を巻いたものだった。
同時にアメリカの陪審員制度というものに大変興味を覚えたものだ。
あれからン十年が経って、さすがに証言や証拠の収集の手順に古さを感じずにはいられないが、その一方で、日本でも裁判員制度が始まったことで、陪審員制度を身近に感じ、解り易くなっている。
時代や社会の変化によって自分自身の観る目が、こうも変わるものなのかとつくづく思う。
ただ、そんな中でも変わらないものこそが本作の核であり、いまだに名作としての地位を確立している所以であろう。
それは正義であり、弱者にこそ寄り添おうとする姿勢である。
タイトルがいい。
暑い暑い夏の夜の苛立ちと怒りの応酬は、シドニールメット=正義漢の代名詞の始まりともなった素晴らしい作品。
「歌は世につれ、世は歌につれ」という言葉があって、いやいや、世の中は歌につれたりしないとも言われる。
世の中は、映画に連れたりもしないのかもしれないが、この作品の果たした社会的役割は計り知れないと思う。
この作品のせいで大勢に迎合せず、自分の意見や正義を貫く陪審員が数多く生まれただろう。
原題 12 ANGRY MEN
製作国 アメリカ
製作 オリオン・ノヴァ・プロ Orion-Nova Productions
配給 ユニオン
配給 映配
配給 松竹セレクト
監督 シドニー・ルメット Sidney Lumet
製作 レジナルド・ローズ Reginald Rose
製作 ヘンリー・フォンダ Henry Fonda
脚本 レジナルド・ローズ Reginald Rose
撮影 ボリス・カウフマン Boris Kaufman
音楽 ケニヨン・ホプキンス Kenyon Hopkins
出演 ヘンリー・フォンダ Henry Fonda
出演 リー・J・コッブ Lee J. Cobb
出演 エド・ベグリー Ed Begley
出演 マーティン・バルサム Martin Balsam
出演 E・G・マーシャル E.G. Marshall
出演 ジャック・クラグマン Jack Klugman
出演 ジョン・フィードラー John Fiedler
出演 ジョージ・ヴォスコヴェック George Voskovec
出演 ロバート・ウェッバー Robert Webber
出演 エド・ビンズ Ed Binns
出演 ジョセフ・スィーニー Joseph Sweeney
出演 ジャック・ウォーデン Jack Warden