カティンの森

店舗イメージ

公開日 2009/12/05  122分


★★★★★★★ 7.0


こ、これは重い。
アンジェイ・ワイダが御年80才にして、自らの父親を亡くした「カティンの森(虐殺)事件」に挑む。
ただ敢えて言うなら、こういった作品の背景(史実)は別に予備知識として知らなくても構わない。
一つの映画として観るだけでも強烈な作品だ。
オープニングから戦況の悪化している状況は見てとれる。
意外なのは赴いている軍の部隊にいる家族に、自転車で会いに行けるという空気だ。日本とは違う、規律と自由が妙に混在した雰囲気に戸惑いを感じた。
だがそれは、いかに軍隊が見えない鎖で兵を縛っているかにも繋がる。
ヤバイと解っていても虐殺へと向かっていった、外野から見れば「抜け出す逃げ出すことはできなかったのか」とさえ思ってしまうことが、それがいかに馬鹿な発想なのかを丁寧に理解させられる。
死んだ後も政治の駆け引きに使う国家の愚かさ。
生き残ったものも地獄の苦しみを味わう恐ろしさ。
そしてそして何よりも、ラストの虐殺シーンのショック。
これは一度見たら忘れられない。
忘れられない虐殺シーンって…、見ない方がいいのかもしれない。
その意味でNHKはよく放送したものだ。
おそらく放送ギリギリの線だったのだろうが、私にはアウトに思える。
人間が行っている行為なのだが、人間なのか?坦々とした作業には叙情を煽るBGMもない。
この人間、いや戦争の恐ろしさを描いた描写には恐ろしい執念を感じる。この行為の前には、R指定や放送コードなどは最早些末なことなのだ。

原題  KATYN

製作国 ポーランド
製作 Akson Studio
製作 TVP S.A.
製作 Polski Instytut Sztuki Filmowej
製作 Telekomunikacja Polska
製作 Legion Entertainment
配給 アルバトロス・フィルム  ALBATROS Co.,Ltd.

監督 アンジェイ・ワイダ Andrzej Wajda
製作 ミハウ・クフィェチンスキ Michal Kwiecinski
原作 アンジェイ・ムラルチク Andrzej Mularczyk
脚本 アンジェイ・ワイダ Andrzej Wajda
脚本 ヴワディスワフ・パシコフスキ Wladyslaw Pasikowski
脚本 プシェムィスワフ・ノヴァコフスキ Przemyslaw Nowakowski
撮影 パヴェル・エデルマン Pawel Edelman
衣装デザイン マグダレナ・ビェドジツカ Magdalena Biedrzycka
音楽 クシシュトフ・ペンデレツキ Krzysztof Penderecki

出演 マヤ・オスタシェフスカ Maja Ostaszewska
出演 アルトゥル・ジミイェフスキ Artur Zmijewski
出演 マヤ・コモロフスカ Maja Komorowska
出演 ヴワディスワフ・コヴァルスキ Wladyslaw Kowalski
出演 アンジェイ・ヒラ Andrzej Chyra
出演 ダヌタ・ステンカ Danuta Stenka
出演 ヤン・エングレルト Jan Englert