瞳の奥の秘密

店舗イメージ

公開日 2010/08/14  129分


★★★★★★ 6.0


スペイン・アルゼンチン映画というマイナー感を裏切る、アカデミー賞外国語賞も頷ける、いい作品だと思う。
アルゼンチンの司法システムを知らないだけに、裁判所員が事件現場で捜査するなど、面食らう場面も多々あるのだが、説明的な台詞は少ない。
とはいえ、充分に筋は追える内容だ。

退職した裁判所員が、過去に担当した事件と同時に、その頃の恋愛を述懐する作業の中で、自分を見つめ直す過程が描かれる。
犯人を探し出す要因となる、「姿を眩まし、生活の全てを変えても、パッションは変えることができない」というプロファイル的な切り口が面白い。
キャリア、ノンキャリアの軋轢はアルゼンチンにもあるのか。
もどかしくも遅々として進まない恋愛には、焦れったくもあり、悲劇的でもあり。
アメリカやヨーロッパとは面持ちの異なる、南米の風景を映す陰影に富んだ画は乾いた空気まで感じ取れる繊細さだ。
写真に映る主人公の眼差しを始めとして、意味ある映像が説明もなく、一瞬に描かれることが多い。
また、殺し屋から逃れるのを拒んで街に残る主人公=男というのも妙な設定だと思ったが、どうしてもヒロインが列車を追う画を撮りたかったんだろうと思う。
それほどに画には凝られている。
思わず微笑んでしまう円満なラストではあるが、残酷な復讐劇を放っておくラストには違和感が残る。
復讐から勇気を貰う主人公にも。

原題  EL SECRETO DE SUS OJOS

製作国 スペイン
製作国 アルゼンチン
製作 100 Bares
製作 Canal+ Espana
製作 Haddock Films
製作 Tornasol Films
配給 ロングライド

監督 フアン・ホセ・カンパネラ Juan Jose Campanella
製作 マリエラ・ベスイエフスキー Mariela Besuievski
製作 フアン・ホセ・カンパネラ Juan Jose Campanella
製作総指揮 ヘラルド・エレーロ Gerardo Herrero
製作総指揮 バネッサ・ラゴーネ Vanessa Ragone
原作 エドゥアルド・サチェリ Eduardo Sacheri
脚本 エドゥアルド・サチェリ Eduardo Sacheri
脚本 フアン・ホセ・カンパネラ Juan Jose Campanella
撮影 フェリックス・モンティ Felix Monti
編集 フアン・ホセ・カンパネラ Juan Jose Campanella
音楽 フェデリコ・フシド Federico Jusid

出演 リカルド・ダリン Ricardo Darn
出演 ソレダ・ビジャミル Soledad Villamil
出演 パブロ・ラゴ Pablo Rago
出演 ハビエル・ゴディーノ Javier Godino
出演 カルラ・ケベド Carla Quevedo
出演 ギレルモ・フランセーヤ Guillermo Francella