ビッグ・ウェンズデー

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公開日 1979/04/21  120分


★★★★★★ 6.0


有名な作品のわりにいまいち評判は良くないが、個人的には「青春映画」を代表する一作だと思う。
青春の一時期のきらめき、その一過性の高揚感や焦燥感が切なく表現されている。
この感覚は『アメリカン・グラフィティ』に近いか。

主人公3人の実生活が描かれることは少ないが、それぞれ個性が面白い。
しかし、主人公のジャン=マイケル・ヴィンセントは、どうしていつも飲んだくれているのだろう。
やがて終わる人生の夏の日々への苛立ちからだろうか。
どうして飲んだくれるのか、飲んだくれているくせに何故サーフィンは上手いのか、その辺りはもう少し表現して欲しかった。
不意に子供ができたことを知らされるシーン。
祝いながらもそれは同時に一つの時代にピリオドを告げることを、さりげなく表す演出が印象的だ。
かたや一番のやさ男に見えて、実は真面目で男気のあるウィリアム・カットもいい。
これを前後にして一気にスターになるが、中年以降はまったく見掛けなくなってしまった。
ジャン=マイケル・ヴィンセントは大根だし、結局、演技を支えているのはゲイリー・ビジーだ。

背景にはベトナム戦争がある。
そこで散った友人を悼みつつも、ズルして残った者たちは一生十字架を背負うことになる。
戦争の罪深さがあらわになるシーンだ。
青春のきらめきが過ぎ去った後にやって来る伝説の大波。
だが、その波に出会え、サーフィンにケジメをつけることができた彼らは幸運だ。

原題  BIG WEDNESDAY

製作国 アメリカ
製作 A-Team Productions
配給 ワーナー・ブラザース映画

監督 ジョン・ミリアス John Milius
製作 バズ・フェイトシャンズ Buzz Feitshans
製作 アレクサンドラ・ローズ Alexandra Rose
製作総指揮 タマラ・アセイエフ Tamara Asseyev
脚本 ジョン・ミリアス John Milius
脚本 デニス・アーバーグ Dennis Aaberg
撮影 ブルース・サーティース Bruce Surtees
プロダクションデザイン アレックス・マクダウェル Alex McDowell
音楽 ベイジル・ポールドゥリス Basil Poledouris

出演 ジャン=マイケル・ヴィンセント Jan-Michael Vincent
出演 ウィリアム・カット William Katt
出演 ゲイリー・ビューシイ Gary Busey
出演 リー・パーセル Lee Purcell
出演 バーバラ・ヘイル Barbara Hale
出演 パティ・ダーバンヴィル Patti D'Arbanville
出演 サム・メルヴィル Sam Melville