
公開日 1988/04/29 151分
スピルバーグは凄い。
改めてそう思った。
この少年の感覚。
少年ならではの、しかも研ぎ澄まされたこの感覚をどうして彼は持ち続ける事が出来るのだろう。
やはり、素晴らしい才能である。
「スピルバーグ」について、2点。まず、スピルバーグというネームバリューについて。
今やその名だけで観客が集まる。
映画を日頃見ない人が珠に見るとすれば、ブランド志向の人間が多い今、一番は彼かも知れない。
ということは、映画そのものの将来は彼にかかっているともいえる。
それだけにコンスタントにいい映画を作り続けて欲しいと思う。
彼の才能をみくびった様な言い方になったがそう願う。
次に、彼の映画制作について。
この映画や、前作『カラーパープル』は興業的にみて大ヒットするものではない。
つまり、彼は作りたいものを作っているのである。
若い頃はとにかくヒットメーカーであったが、今は、いろんな面で力をつけて、ゆっくり好きなものを作っている感じがする。
ロバート・デ・ニーロの言葉を思い出す。
『若い頃はいい役さえ貰えれば有名になんてならなくてもよかった。
でも、有名になればいい役が貫えることが分かった。』
凄い奴らはこれを実行する。
この映画があまり宣伝されないのは、どういう考えなのか分かる。
それは宣伝するのが日本人であれ、外国人であれ、日本人を見くびった態度である。
分かるものには分かる。
分からない、否、誤解する者がいても、それで日本の文化が落ちるとは思えない。
どうして、スピルバーグは羅かに一つの芸術であり、それを一丁鑑賞してやろうという心構えはないのであろうか。
先日の『ラスト・エンペラー』のカットといい、映画はどうも芸術として認められてはいないようようである。
それなら、この感動は何なのだろう。
『太陽の帝国」はスピルバーグの映画のの中では語り継がれる作品ではないかも知れない。
しかし、この映画全編に流れる少年の崇高さはスピルバーグの永遠の創作対象であるだろう。
原題 EMPIRE OF THE SUN
製作国 アメリカ
製作 Amblin Entertainment
製作 Warner Bros. Pictures
配給 ワーナー・ブラザース映画
監督 スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg
製作 スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg
製作 キャスリーン・ケネディ Kathleen Kennedy
製作 フランク・マーシャル Frank Marshall
製作総指揮 ロバート・W・シャピロ Robert W. Shapiro
原作 J・G・バラード J.G. Ballard
脚本 トム・ストッパード Tom Stoppard
撮影 アレン・ダヴィオー Allen Daviau
音楽 ジョン・ウィリアムズ John Williams
特殊効果.SFX.VFX ILM ILM
出演 クリスチャン・ベイル Christian Bale
出演 ジョン・マルコヴィッチ John Malkovich
出演 ミランダ・リチャードソン Miranda Richardson
出演 ナイジェル・ヘイヴァース Nigel Havers
出演 ジョー・パントリアーノ Joe Pantoliano
出演 ベン・スティラー Ben Stiller
出演 伊武雅刀 Ibu Masatou
出演 ガッツ石松 Guts Ishimatsu
出演 山田たかお Yamada Takao