四月怪談

店舗イメージ

公開日 1988/03/19  98分


★★★★★★★ 7


僕はこういうタイプの映画が好きだ。
「天国からきたチャンピオン」も好きだし、「さぴしんぽう』も好きだ。
この二本を関連づけるのは難しいが、只、僕はこの映画を見ていて、この二本をイメージした。
SFもオカルトも余り好きでないのに、こういうファンタジーは好きなジャンルだ。

何といっても、中嶋朋子がいい。特に美人でもないし、演技的に巧いと感じさせる訳でもない。
でも、この映画のキャラクターには、実にぴったりだ。
僕はこの映画を見る前にシナリオを読んでいた。その時感じていたのは、柳葉敏郎の演じるキャラクターが弱い、存在感が薄い事であった。
しかし、映画では見事にその存在を示していた。改めて、柳葉という俳優を見直した。

只、どうしても、書かなければならない穴がこの映画にはある。
それは、角田英介が最後に火葬場に来た時のシーンだ。
どうして、彼にはそれまで見えていた中嶋朋子がこの時に限って見えないのか、どう考えても納得がいかない。
僕がこの事に気付いたのは映画を観終わってからなのだが。
観ている間は、彼の一生懸命さに打たれて気付かなかった。

この若さのひたむきさ、というか、若さだけが持つこの感覚がとてもいい。
「取り柄って何ですか」「花が好きな事も、特別美人じゃ無い事もすべてあなたらしさじゃないですか」「自分から人を信じなくてどうするんだ」
こんな、柳葉の言葉は、僕の未だ成長していない部分に強く響く。
つまり、僕もいまだにこんな女の子が好きだからだろう。◎。

原題  四月怪談

製作国 日本
製作 日本ビクター
配給 ヘラルド・エース 
配給 日本ヘラルド映画

監督 小中和哉 Konaya Kazuya
製作 久野義治 Kuno Yoshiharu
製作 小澤俊晴 Ozawa Toshiharu
製作 小林紘 Kobayashi Hiroshi
プロデューサー 牛山真一 Ushiyama Shinichi
原作 大島弓子 Ohshima Yumiko
脚本 小中和哉 Konaka Kazuya
脚本 関顕嗣 Seki Kenji
撮影 志賀葉一 Shiga Youichi
美術 近藤成之 Kondou Nariyuki
音楽 中谷靖 Nakatani Yasushi
アニメーター 板野一郎 Itano Ichiro

出演 中嶋朋子 Nakajima Tomoko
出演 柳葉敏郎 Yanagiba Toshirou
出演 角田英介 Tsunoda Eisuke
出演 山口果林 Yamaguchi Karin
出演 原彩子 Hara Saiko
出演 新井昌和 Arai Masakazu
出演 寺田農 Terada Minori
出演 小沢仁志 Ozawa Hitoshi