楢山節考

店舗イメージ

公開日 1958/06/01  98分


★★★★★ 5.0


今村昌平版は劇場で観たのだが、先の木下恵介版は未見だった。
原作は深沢七郎の小説なので、大きく変わるところはないだろうと思っていたが、映像が圧倒的に異なる。
全編セット!舞台劇?なので、いかにも劇的な照明が効果的。
奏でられる音楽(三味線)の迫力。
田中絹代の鬼気迫る演技。

現代ではありえない、無理過ぎる物語なのだが、何なんだろう、この切迫感は。
今では姥捨てという慣習なんてありえないのだが、運命というもの、家族に対する想いは、そんなに変わらないのじゃないか。
親が子供の負担になりたくないという想いと、子の親に対する想い。老いの残酷さ。
息子の後妻が救いになっている。
そうじゃない人々も描かれているが、これは主人公達を際立たせるためのパーツだろう。
姥捨山はなくとも、そんな習慣はなくとも、いつの時代も現実は厳しい。
舞台劇的な特異な設定は面白いが、あまりに辛い内容に何度も観たいとは思わない。
いい映画であるのは間違いないのだが。

原題  楢山節考

製作国 日本
製作 松竹大船
配給 松竹

監督 木下恵介 Kinoshita Keisuke
製作 小梶正治 Kokaji Masaharu
原作 深沢七郎 Fukazawa Shichiro
脚本 木下恵介 Kinoshita Keisuke
撮影 楠田浩之 Kusuda Hiroyuki
美術 伊藤憙朔 Ito Kisaku

出演 田中絹代 Tanaka Kinuyo
出演 高橋貞二 Takahashi Teiji
出演 望月優子 Mochizuki Yuko
出演 市川猿翁 Ichikawa Enou
出演 宮口精二 Miyaguchi Seiji
出演 伊藤雄之助 Ito Yunosuke
出演 東野英治郎 Touno Eijirou
出演 三津田健 Mitsuda Ken
出演 小笠原慶子 Ogasawara Keiko