安城家の舞踏會

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公開日 1947/09/27  89分


★★★★★ 5.0


没落華族の物語。
現代ではありえない、想像もつかない設定ではあるが、あらゆる時代で、生活の崩壊や自尊心の瓦解は起こることで、シチュエーション・ムービーとして興味があった。
華族という特権階級への嫉妬のような気持からなのだろうか、その没落を見るといSっぽい気持ちもあるのだろうか。
ヴィスコンティの作品などの例にある「滅びの美学」と言われるものとは異なるが、邦画にもこのような作品があって、しかも評価の高い作品のようだ。
新藤兼人脚本の良さと、原節子のスター性に負うところが大きいと思う。
映像は、"当時としては"素晴らしいものだったのだろうが、半世紀以上を経た今となっては、そうでもない。
最後の舞踏会を訴える原節子は、当時の映画界で大輪の花だったんだなと、その時代を知らなくても想像はつく。
半世紀以上前の物語、約1時間30分、メロドラマと思えなくもないが、今でも充分観るに堪えるというだけで、そのクオリティの高さは本物だ。

原題  安城家の舞踏會

製作国 日本
製作 松竹大船
配給 松竹

監督 吉村公三郎 Yoshimura Kohzaburo
製作 小倉武志 Ogura Takeshi
原作 吉村公三郎 Yoshimura Kouzaburo
脚本 新藤兼人 Shindou Kaneto
撮影 生方敏夫 Ubikata Toshio
美術 浜田辰雄 Hamada Tatsuo
音楽 木下忠司 Kinoshita Chugi

出演 逢初夢子 Ousyo Yumeko
出演 森雅之 Mori Masayuki
出演 原節子 Hara Setsuko
出演 滝沢修 Takizawa Osamu
出演 神田隆 Kanda Takashi
出演 津島恵子 Tsushima Keiko
出演 清水将夫 Shimizu Masao
出演 日守新一 Himori Shinichi