公開日 2012/02/18 79分
ポランスキーによる閉ざされた空間で四人が演じる舞台劇は『死と処女』を彷彿させる。
ただ本作は生き死にを遣り取りするわけではなく、子供の喧嘩に端を発する大人のいさかいが描かれる。
とはいえ、冒頭からの緊張感、ピリピリと張り詰めた空気は、生死を扱わなくても、一級品のサスペンスになり得ることを見事に示している。
都会の普通の生活でも、いや普通の生活を送っているからこそ争いへの対処ができない現代人のスリルと、その裏返しの滑稽さとを見事なバランスで見せ、とにかく面白い。
部屋から出ることのできない展開や思わずあらわになる性格描写、大人になるほどバカになってしまう人間を風刺したラストのほのぼのさに至るまでコンパクトに纏められたストーリーは原作あってのことなのだろうが、ポランスキーの手腕も当然あってのことなのだろう。
絞られた出演者の演技、特に女優陣は、スターの風格を役柄にうまく利用した妙味を見せる。
ド派手なアクションや大仰なセットなどなくても、小品ながらも、思いっきり楽しめた作品だ。
原題 CARNAGE
製作国 フランス
製作国 ドイツ
製作国 ポーランド
製作 SBS Productions
製作 Constantin Film Produktion
製作 SPI Film Studio
製作 Versatil Cinema
製作 Zanagar Films
製作 France 2 Cinema
配給 ｿﾆｰﾋﾟｸﾁｬｰｽﾞｴﾝﾀｰﾃｲﾝﾒﾝﾄ Sony Pictures Entertainment Japan lnc.
監督 ロマン・ポランスキー Roman Polanski
製作 サイド・ベン・サイド Sad Ben Sad
原作戯曲 ヤスミナ・レザ Yasmina Reza
脚本 ヤスミナ・レザ Yasmina Reza
脚本 ロマン・ポランスキー Roman Polanski
撮影 パヴェル・エデルマン Pawel Edelman
ﾌﾟﾛﾀﾞｸｼｮﾝﾃﾞｻﾞｲﾝ ディーン・タヴォウラリス Dean Tavoularis
衣装デザイン ミレーナ・カノネロ Milena Canonero
編集 エルヴェ・ド・ルーズ Herve de Luze
音楽 アレクサンドル・デスプラ Alexandre Desplat
出演 ジョディ・フォスター Jodie Foster
出演 ケイト・ウィンスレット Kate Winslet
出演 クリストフ・ヴァルツ Christoph Waltz
出演 ジョン・Ｃ・ライリー John C. Reilly