ひまわり

店舗イメージ

公開日 1970/09/30  107分


★★★★★★★ 7.0


冒頭に映し出される遥かに広がるひまわり畑。
地平線まで続くと思われるそれは、もはや「畑」という概念では収まらないほどだ。
哀愁を帯びた音楽とともにカメラは画面一面にそれらを舐め、やがて一、二本のひまわりを大写しにして、物語はスタートする。
この圧倒的なひまわりの映像はラストにも映し出されるのだが、ラストに観るひまわりはまったく異なった印象を持つことになる。
広大なひまわりの下には計り知れない数の兵士達が眠っているのだ。
つまり本編の悲劇は、その中の一、二本に過ぎないことが解る。

2回目の鑑賞になるが、卵24個のオムレツはいまだに強く印象に残っている。
初めて観た時は、派手顔のソフィア・ローレンに感情移入し辛かったものだが、今回はそんなことはなかった。
年齢とともに視野が広くなったということか。
対照的にリュドミラ・サベリーエワの端正さが面白い。
マストロヤンニのダメっぷりは板についたもの。

近代的な駅や原発を映し出す旧ソ連の宣伝的な描写も今から観ると興味深い。
戦争を背景とした恋愛映画としては、映画史に残る一級品だろう。

マストロヤンニの母親にしてみれば、息子が生きててそれでよかっただろうけど・・・。
この母親から、ソフィアローレンの嘘もいずれ明らかになるんだろうな。
物語のその後にまで想いを馳せさせる辺りも見事だ。

原題  I GIRASOLI

製作国 イタリア
製作 カルロ・ポンティ・プロ Carlo Ponti Production
製作 Compagnia Cinematografica Champion
製作 Les Films Concordia
製作 Mosfilm
製作 AVCO Embassy Pictures
配給 ブエナ ビスタ インターナショナル・ジャパン Buena Vista International, Inc.

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ Vittorio De Sica
製作 ヴィットリオ・デ・シーカ Vittorio De Sica
製作 カルロ・ポンティ Carlo Ponti
脚本 チェザーレ・ザヴァッティーニ Cesare Zavattini
脚本 トニーノ・グエッラ Tonino Guerra
脚本 ゲオルギ・ムディバニ Gheorgis Mdivani
撮影 ジュゼッペ・ロトゥンノ Giuseppe Rotunno
音楽 ヘンリー・マンシーニ Henry Mancini

出演 ソフィア・ローレン Sophia Loren
出演 マルチェロ・マストロヤンニ Marcello Mastroianni
出演 リュドミラ・サベリーエワ Lyudmila Savelyeva
出演 アンナ・カレーナ Anna Carena