
公開日 2011/03/05 103分
一番肝心なドンデン返しに爽快感がないのは何故だ!
それは、仕掛けた人物の素顔に、誰も感情移入ができないからだ。
鑑賞前に殆ど情報収集していなかったため、本作がソフィー・マルソー主演作のリメイクだとは知らなかった。
そんなオリジナルも評判はさほど良くなかったようだが。
ラストもともかく、アンジーが選ぶ相手が偶然に左右されることや、他人になりすますにもその他人が結婚したり死んだりするリスクが考慮されていないなど、底の浅さが目につく。
観客を騙すための演出と受け取られても仕方のないシーンもある。
今予想されるもっとも集客力がある主演カップルを並べたにも関わらず、興業収入が奮わなかったのも頷けるというものだ。
『善き人のためのソナタ』の評判を失墜させてしまった監督には次回での挽回を期待したい。
とはいえ、ジョニデが警官を海に突き落としてしまうシーンは、「緊迫感ある追跡シーン」というイメージで観ていた中での予想外の展開で、珍しく声を出して笑ってしまった。
舞台となるヴェネチアは、『ミニミニ大作戦』だか『007』だかで、派手にあちこちを壊して以後、映画撮影禁止になっていってなかったか?
ともかく観光案内的な描写は折り込み済みだ。
ラストのとことんまで手を出さずに引っ張る政府機関のじれったさと、それに引きかえ呆気なく一掃される悪党どもには唖然とさせられる。
スターの共演による娯楽アクションとしては、余りにも無難な出来で、物語の印象は極めて薄い。
ちょっと『Mr.&Mrs.スミス』を思い出した。
原題 THE TOURIST
製作国 アメリカ
製作国 フランス
製作 GK Films
製作 Spyglass Entertainment
製作 Studio Canal
配給 ソニーピクチャーズエンターテインメント
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク Florian Henckel von Donnersmarck
製作 グレアム・キング Graham King
製作 ティム・ヘディントン Tim Headington
製作 ロジャー・バーンバウム Roger Birnbaum
製作 ゲイリー・バーバー Gary Barber
製作 ジョナサン・グリックマン Jonathan Glickman
製作総指揮 ロイド・フィリップス Lloyd Phillips
製作総指揮 バーマン・ナラギ Bahman Naraghi
製作総指揮 オリヴィエ・クールソン Olivier Courson
製作総指揮 ロン・ハルパーン Ron Halpern
オリジナル脚本 ジェローム・サル Jerome Salle
脚本 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク Florian Henckel von Donnersmarck
脚本 クリストファー・マッカリー Christopher McQuarrie
脚本 ジュリアン・フェロウズ Julian Fellowes
撮影 ジョン・シール John Seale
プロダクションデザイン ジョン・ハットマン Jon Hutman
衣装デザイン コリーン・アトウッド Colleen Atwood
編集 ジョー・ハッシング Joe Hutshing
編集 パトリシア・ロンメル Patricia Rommel
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード James Newton Howard
出演 アンジェリーナ・ジョリー Angelina Jolie
出演 ジョニー・デップ Johnny Depp
出演 ポール・ベタニー Paul Bettany
出演 ティモシー・ダルトン Timothy Dalton
出演 スティーヴン・バーコフ Steven Berkoff
出演 ルーファス・シーウェル Rufus Sewell
出演 クリスチャン・デ・シーカ Christian de Sica
出演 ラウル・ボヴァ Raoul Bova