公開日 2011/05/11 108分
久々に評価の難しい作品。
当初はバレエに真摯に向き合う主人公に感情移入できるものの、次第に精神の安定を欠き狂気へと向かう姿に置いてきぼりを喰らう。
ただ、クライマックスに向かって加速していくテンポと悪夢のようなイメージは圧倒的で見応えは十分だ。
『白鳥の湖』という印象的な素材を背景にしているも効果的だ。
どれが現実なのかが分からなくなっていく過程はサスペンス映画としても十分。
破滅志向の主人公は『レスラー』と同様で、監督も「姉妹作品」とコメントしているように、好みのキャラクターなのだろう。
これだけのキャストでありながらも、あくまでインディー系の雰囲気を醸すのは、ハンドカメラを多用し被写体の近い映像によるのだろう。
本作品でオスカー受賞のナタリー・ポートマンの精神投影は素晴らしいが、手足が長く見えないスタイルはどうしようもないか・・・。
主人公の不安定さの素地となる偏執的な母親役を演じるバーバラ・ハーシーも上手く、また主人公の精神を揺さぶる演出家のヴァンサン・カッセルやライバルとして現れるミラ・クニスなど、現実と狂気に映る脇役も見事な演技を見せる。
『レスラー』同様にハッピーエンドなのであるが、そこに至るまでの茨の道がせつな過ぎて、沈痛な思いに駆られるラスト。
壮絶な苦闘の果てに、人生の決着を自分でつけた主人公に拍手。
原題 BLACK SWAN
製作国 アメリカ
製作 Fox Searchlight Pictures
製作 Protozoa Pictures
製作 Phoenix Pictures
製作 Cross Creek Pictures
配給 20世紀フォックス映画20th Century Fox
監督 ダーレン・アロノフスキー Darren Aronofsky
製作 マイク・メダヴォイ Mike Medavoy
製作 アーノルド・メッサー Arnold Messer
製作 ブライアン・オリヴァー Brian Oliver
製作 スコット・フランクリン Scott Franklin
製作総指揮 ブラッドリー・Ｊ・フィッシャー Bradley J. Fischer
製作総指揮 アリ・ハンデル Ari Handel
製作総指揮 タイラー・トンプソン Tyler Thompson
製作総指揮 ピーター・フラックマン Peter Fruchtman
製作総指揮 リック・シュウォーツ Rick Schwartz
製作総指揮 ジョン・アヴネット Jon Avnet
原案 アンドレス・ハインツ Andres Heinz
脚本 マーク・ヘイマン Mark Heyman
脚本 アンドレス・ハインツ Andres Heinz
脚本 ジョン・マクラフリン John McLaughlin
撮影 マシュー・リバティーク Matthew Libatique
ﾌﾟﾛﾀﾞｸｼｮﾝﾃﾞｻﾞｲﾝ テレーズ・デプレス Therese DePrez
衣装デザイン エイミー・ウェストコット Amy Westcott
編集 アンドリュー・ワイスブラム Andrew Weisblum
音楽 クリント・マンセル Clint Mansell
音楽監修 ゲイブ・ヒルファー Gabe Hilfer
視覚効果監修 ダン・シュレッカー Dan Schrecker
振付 バンジャマン・ミルピエ Benjamin Millepied
出演 ナタリー・ポートマン Natalie Portman
出演 ヴァンサン・カッセル Vincent Cassel
出演 ミラ・クニス Mila Kunis
出演 バーバラ・ハーシー Barbara Hershey
出演 ウィノナ・ライダー Winona Ryder
出演 セバスチャン・スタン Sebastian Stan