
公開日 2010/03/12 129分
扱う事件の幅の広さから、市川崑の金田一シリーズのように描くことだって可能なシャーロック・ホームズ。
本作はガイ・リッチーらしく、徹底したアクション。
原作に忠実に固く描くのならBBCに任せておけばよい訳で、本作の切り口は面白いと思う。
勿論、多くの批判は予想できる。
「アクションならホームズを題材にしなくてもよい」
「謎解きが薄い」「古典の雰囲気じゃない」などなど。
私が違和感を感じたのは配役くらいで(特にアイリーン・アドラー)、『これはこれ』として観れば、十分に楽しめた。
ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウは、逆の方がよかったかもしれないとも思うが、カンフーを彷彿させる「バリツ」を操って格闘するホームズだって観られないわけじゃない。
変装の名人の見せ方だって上手いと思うし、大量の火薬を使ってドッカンドッカン破壊するシーンだって許せる。
だがこの監督はウマヘタ。
ブラックウッド卿という新たな登場人物を扱った事件なのに、更なる悪を示唆したラストは、モリアーティ教授という大きな存在を知っている私には、そこに繋げたからといって、作品単体として十分完結していると思うのだが、ホームズを知らない観客には「続編へと続く尻切れ」と受け止められるだろう。
実際に続編があるにしてもそこはヘタ。
『シャーロック・ホームズ』と冠しているだけに、ホームズ愛好家が対象の範疇に入るのは明らかなのに、シャーロック・ホームズの面白さの本質を解り、そこを愛している人には受け入れられないというジレンマを抱えている何とも悩ましい作品。
ラストの造船所での壮大なアクションがなければ成立しない作品、これは「ホームズもの」なのか?
原題 SHERLOCK HOLMES
製作国 アメリカ
製作 Warner Bros. Pictures
製作 Village Roadshow Pictures
製作 Silver Pictures
製作 Wigram Productions
製作 Internationale Filmproduktion Blackbird Dritte
配給 ワーナー・ブラザース映画
監督 ガイ・リッチー Guy Ritchie
製作 スーザン・ダウニー Susan Downey
製作 ダン・リン Dan Lin
製作 ジョエル・シルバー Joel Silver
製作 ライオネル・ウィグラム Lionel Wigram
製作 スティーヴ・クラーク=ホール Steve Clark-Hall
製作総指揮 ブルース・バーマン Bruce Berman
製作総指揮 マイケル・タドロス Michael Tadross
キャラクター創造 アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle
原案 ライオネル・ウィグラム Lionel Wigram
原案 マイケル・ロバート・ジョンソン Michael Robert Johnson
脚本 マイケル・ロバート・ジョンソン Michael Robert Johnson
脚本 アンソニー・ペッカム Anthony Peckham
脚本 サイモン・キンバーグ Simon Kinberg
撮影 フィリップ・ルースロ Philippe Rousselot
プロダクションデザイン サラ・グリーンウッド Sarah Greenwood
衣装デザイン ジェニー・ビーヴァン Jenny Beavan
編集 ジェームズ・ハーバート James Herbert
音楽 ハンス・ジマー Hans Zimmer
出演 ロバート・ダウニー・Jr Robert Downey Jr.
出演 ジュード・ロウ Jude Law
出演 レイチェル・マクアダムス Rachel McAdams
出演 マーク・ストロング Mark Strong
出演 ケリー・ライリー Kelly Reilly
出演 エディ・マーサン Eddie Marsan
出演 ジェームズ・フォックス James Fox
出演 ジェラルディン・ジェームズ Geraldine James