
公開日 1966/06/18 145分
油田から飛び立った輸送機が砂嵐に遭い、大きく空路を外れた末に、砂漠のど真ん中に不時着する。
いかにして乗組員達はそこから脱出できるのか?をテーマにした基本的にアイデア勝負の作品である。
舞台劇のような設定であるが、豪華キャストとはいえ、登場人物(全員、男臭い男)の個性でみせることができるほど、役者それぞれが際立っている。
一癖も二癖もあるとはこのことだろう。
死を前にしてでも、スポーツ・ドラマのような一致団結なんてあり得ない、誰がリーダーかに拘る機長。決してスカッとはしていない・・・。
飛行機?の設計士の思い込みの激しさは、もはや正気を疑わせるほどに恐い。
彼らのぐだぐだのプライドのぶつかり合いが、男の本質でもあり、男臭さというものを上手く表している。
使命を全うしたとも思える上官が殺され、上官に反抗した軍人が生き残ってしまう理不尽な構図は軍隊という組織を超越して、戦争までをも揶揄しているのだろう。
リメイク版『フライト・オブ・フェニックス』を先に観たが、時代の変化はともかく、原作にはかなり忠実に作られていることが判った。
設計士の本気で思い込んでいる恐さはオリジナルのみ。
日焼けによる顔の火傷の火ぶくれなどは、オリジナルの方がリアルに痛々しい。
ラストを変えた意味は解らないが、別作品と観てもらうために敢えて変えたのだろうか。
今から観ると、多少中弛みも窺えるが、それでも十分に楽しむことはできる。
キャストを一気に紹介する不時着の導入部と、観客まで巻き込んで飛び立つラストの飛翔感は見事。
英題 THE FLIGHT OF THE PHOENIX
製作国 アメリカ
製作 Associates & Aldrich Company
製作 20th Century Fox
配給 20世紀フォックス
監督 ロバート・アルドリッチ Robert Aldrich
製作 ロバート・アルドリッチ Robert Aldrich
原作 トレヴァー・ダドリー・スミス Trevor Dudley Smith
脚本 ルーカス・ヘラー Lukas Heller
撮影 ジョセフ・バイロック Josef Biroc
音楽 フランク・デ・ヴォール Frank De Vol
特殊効果.SFX.VFX L・B・アボット L.B. Abbott
出演 ジェームズ・スチュワート James Stewart
出演 リチャード・アッテンボロー Richard Attenborough
出演 ハーディ・クリューガー Hardy Kruger
出演 アーネスト・ボーグナイン Ernest Borgnine
出演 ピーター・フィンチ Peter Finch
出演 イアン・バネン Ian Bannen
出演 クリスチャン・マルカン Christian Marquand
出演 ジョージ・ケネディ George Kennedy