ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~

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公開日 2009/10/10  114分


★★★★★★ 6.0


太宰治生誕100年に因んで製作された、太宰原作の映画化。
原作を読んでいないのだが、『ヴィヨンの妻』だけでなく、他の作品の要素も織り交ぜられているらしい。
ヴィヨンとは破天荒な生涯を送った詩人フランソワ・ヴィヨンで、太宰と重ねられているようだ。
太宰原作、田中陽造脚本というだけで、その雰囲気は想像がつくが、実際その通りであった。

終戦後間もなくの命の軽い時代の雰囲気を上手く醸している。
命までもが軽く扱われるだけに何もかもがコミカルさえ見え、また戦後の価値観の崩壊で、確かなものが見え辛い混沌とした時代が何気なくさらっと描かれている。
『生きてさえいけばいい』というラストも、登場人物の性格のみならず、時代を反映したものなのだろう。
この手の暗くアンニュイな雰囲気は、好みの人には結構ハマると思う。
鈴木清順監督作品や深作欣二の『華の乱』など、一昔前の作品を思い出した。

演技者はそれぞれの持ち味を発揮している。
とりわけ各賞を受賞した松たか子の、交番での台詞を始めとする台詞回しは目を瞠るものがある。
根岸吉太郎監督はまずまず。椿屋のカメラ配置などは素晴らしい。
太宰作品そのままに、よくできた作品ではあるが、凄いとか一般受けするものではなく、ハマる人はハマるという作品。

英題  VILLON'S WIFE

製作国 日本
製作 フジテレビジョン
製作 パパドゥ
製作 新潮社
製作 日本映画衛星放送
配給 東宝

監督 根岸吉太郎 Negishi Kichitaro
製作 亀山千広 Kameyama Chihiro
製作 山田美千代 Yamada Michiyo
製作 田島一昌 Tajima Kazumasa
製作 杉田成道 Sugita Shigemichi
製作 前田久閑 Maeda Kuga
製作 木幡久美 Kobata Kumi
製作 菊地美世志 Kikuchi Miyoshi
プロデューサー 稲葉直人 Inaba Naoto
製作総指揮 石原隆 Ishihara Takashi
製作総指揮 直井里美 Naoi Satomi
製作総指揮 酒井彰 Sakai Akira
原作 太宰治 Dazai Osamu
脚本 田中陽造 Tanaka Youzou
撮影 柴主高秀 Shibanushi Takahide
美術 矢内京子 Yauchi Kyoko
美術 種田陽平 Taneda Youhei
衣装デザイン 古藤博 Kodou Hiroshi
衣装デザイン 黒澤和子 Kurosawa Kazuko
音楽 吉松隆 Yoshimatsu Takashi

出演 松たか子 Matsu Takako
出演 浅野忠信 Asano Tadanobu
出演 広末涼子 Hirosue Ryoko
出演 妻夫木聡 Tsumabuki Satoshi
出演 堤真一 Tsutsumi Shinichi
出演 室井滋 Muroi Shigeru
出演 伊武雅刀 Ibu Masatou
出演 田村泰二郎 Tamura Taijirou