
公開日 1976/07/03 186分
重厚なヘンデルの「サラバンド」によるオープニングからして悲劇を予感させる。
18世紀、一人の若者の貴族への野望と失墜、成功と没落が描かれる。
3時間、前後半に分かれる大作ながら、まったく飽きることなく観ることができた。
それほどに、ストーリーと映像に隙がなく、密度が濃い。
表情演技を抑えつつ、行動から心理を掘り下げた本作に、二枚目ながら「大根」と呼ばれたライアン・オニールは適役だ。
まさに波乱万丈な人生ではあるが、現代にまで名を馳せる貴族を描いていない。
つまり、波乱万丈な人生ではあるが、激情に走らず、ラストの『美しいものも醜いものも同じ。等しく今はあの世』というテロップも含めて、どこにでもある話と捉えている。
人生とはそういうものなのだ。
映像は、キューブリックの本領を発揮した「動く絵画」ともいえる素晴らしさだ。
これだけでも十分に観賞に値するが、人間の歴史、人生の賛歌として深い味わいを残す傑作である。
原題 BARRY LYNDON
製作国 イギリス
製作 Peregrine Productions
製作 Hawk Films
製作 ワーナー・ブラザース Warner Bros. Pictures
配給 ワーナー・ブラザース Warner Bros. Entertainment, Inc.
監督 スタンリー・キューブリック Stanley Kubrick
製作 スタンリー・キューブリック Stanley Kubrick
製作 バーナード・ウィリアムズ Bernard Williams
製作総指揮 ヤン・ハーラン Jan Harlan
原作 ウィリアム・サッカレー William Thackeray
脚本 スタンリー・キューブリック Stanley Kubrick
撮影 ジョン・オルコット John Alcott
衣装デザイン ミレーナ・カノネロ Milena Canonero
衣装デザイン ウルラ=ブリット・ショダールンド Ulla-Britt Soderlund
編集 トニー・ローソン Tony Lawson
音楽 レナード・ローゼンマン Leonard Rosenman
出演 ライアン・オニール Ryan O'Neal
出演 マリサ・ベレンソン Marisa Berenson
出演 パトリック・マギー Patrick Magee
出演 スティーヴン・バーコフ Steven Berkoff
出演 マーレイ・メルヴィン Murray Melvin
出演 ハーディ・クリューガー Hardy Kruger