
公開日 1960/11/01 98分
山田洋次版が作られた今ではあるが、これは市川昆版『おとうと』。
この時代の作品らしく、岸恵子と川口浩の兄弟は設定年齢よりもかなり老けているし、実際そうなのだろう。
とはいうものの演技については、老けている分だけ上手いという訳ではない。
美女美男の兄弟なのがエクスキューズなのだろう。
その代わりということもないが、父母役の森雅之と田中絹代は、難しい役柄にも関わらず、抜群の上手さを見せる。
市川昆の演出は、「らしさ」もあって、「そこそこ」といったところか。
「銀残し」と呼ばれる映像は、時代感があってよかった。
大正時代ヘの思い入れは解るものの、もう少し風景的に大正時代を見せて欲しかった。
そこは予算的な制約があったのかもしれないが。
当時の映画賞を席巻した作品ゆえの期待度には及ばなかった。
物語よりも、それぞれのキャラクターを楽しむべきなのかもしれない。
確かに気の強い岸恵子はよかった。
当時は相当受けただろうことは、容易に窺える。
チョイ役ながら、看護婦の江波杏子も印象的。
切り貼りしたようなラストシーンは作品から浮いており、それが狙い目で印象づける要因なのかもしれないが、(実際印象付けられてしまった)上手いとも思えないし、感動的でもない。
原題 おとうと
製作国 日本
製作 大映東京
配給 大映
監督 市川崑 Ichikawa Kon
製作 永田雅一 Nagata Masaichi
製作 藤井浩明 Fujii Hiroaki
原作 幸田文 Kouda Aya
脚本 ウィリアム・ブロイルズ・Jr William Broyles Jr.
脚本 水木洋子 Mizuki Youko
撮影 宮川一夫 Miyagawa Kazuo
美術 下河原友雄 Shimogawara Tomoo
編集 中静達治 Nakashizu Tatsuji
音楽 芥川也寸志 Akutagawa Yasushi
出演 岸恵子 Kishi Keiko
出演 川口浩 Kawaguchi Hiroshi
出演 田中絹代 Tanaka Kinuyo
出演 森雅之 Mori Masayuki
出演 仲谷昇 Nokaya Noboru
出演 浜村純 Hamamura Jun
出演 岸田今日子 Kishida Kyoko
出演 江波杏子 Enami Kyouko