
公開日 2008/04/12 123分
イアン・マキューアンの小説、『贖罪』の映画化。
第二次大戦前、夢見る少女の心無い嘘によって人生を引き裂かれた姉とその恋人。
二人の辿る過酷な人生と、その後も引き起こされてゆく悲劇を知ることになった少女のその後を情緒豊かに描く。
戦前の空気や貴族の雰囲気も上手く表現されているし、それぞれの役者の感情表現はもとより、『聖書のようだ』という台詞で表される、海岸線での1カットの長回しによる戦場の混乱の表現など、この監督の力量はなかなか評判通りのものである。
地下壕を水が襲うシーンなどの資金を要する場面も、キーラ・ナイトレイの表情演技と、水が襲う1カットで収めるなど上手い。
悲劇に流されながらも、それぞれに強い意志があり、その意志を打ち砕くような殺戮(死体など)を見せつけられ、運命を予感させられてもなおかつ帰ろうとする姿。
壮大な描写を観ながら『コールド・マウンテン』を思い起こしたのだが、劇中、ヴァネッサ・レッドグレープのインタビュアーはアンソニー・ミンゲラとのこと。
思わぬ繋がりがあるものだ。
償える、償えないというような浅いテーマではないのだが、それでいて、このタイトルは見事としかいいようがない。
この時代、この境遇での人生の生き様を見せつけて、普遍的な生き方を深く考えさせられる、いい作品だ。
原題 ATONEMENT
製作国 イギリス
配給 東宝東和
監督 ジョー・ライト Joe Wright
製作 ティム・ビーヴァン Tim Bevan
製作 エリック・フェルナー Eric Fellner
製作 ポール・ウェブスター Paul Webster
製作総指揮 ロバート・フォックス Robert Fox
原作 イアン・マキューアン Ian McEwan
脚本 クリストファー・ハンプトン Christopher Hampton
撮影 シーマス・マッガーヴェイ Seamus McGarvey
プロダクションデザイン サラ・グリーンウッド Sarah Greenwood
衣装デザイン ジャクリーヌ・デュラン Jacqueline Durran
編集 ポール・トシル Paul Tothill
音楽 ダリオ・マリアネッリ Dario Marianelli
出演 キーラ・ナイトレイ Keira Knightley
出演 ジェームズ・マカヴォイ James McAvoy
出演 シアーシャ・ローナン Saoirse Ronan
出演 ロモーラ・ガライ Romola Garai
出演 ヴァネッサ・レッドグレーヴ Vanessa Redgrave
出演 ブレンダ・ブレシン Brenda Blethyn
出演 アンソニー・ミンゲラ Anthony Minghella
出演 ジュノー・テンプル Juno Temple
出演 アルフィー・アレン Alfie Allen