
公開日 2007/02/10 138分
芸術が政治や戦争にどれほど寄与できるのか?
この大いなる問題は名作『シンドラーのリスト』等でも取り上げられ、芸術の理解と非人道的行為が並立してしまう何とも言えない恐ろしさ、やりきれない空虚感、悲しみが描かれていた。
深い感動を呼ぶ芸術も、残虐な行為も人間の仕業なのだ。
本作では旧共産国内での芸術家の悲劇と、芸術に感化された人間の変遷を過度に煽ることなく、丹念に美しく描き出している。
『善き人のためのソナタ』を聴いたことにより、「ここまで変われる」と「ここまでしか変われない」の境界線を絶妙なバランスで見せてくれる。
この監督兼脚本家、戦争という限界状況において表現されるのは悲しいことだが、このような緻密な才能が突然現れることに驚かされる。
ドイツ映画ではあるが、タッチはアメリカ映画に近い。
悲劇ではあるが、これ見よがしな表現をとらずに人間の内に秘めた美しい部分を感じさせる。
結局盗聴された劇作家から元サダージュに掛けられる言葉はなく、ラストに元サダージュから発せられる言葉の余韻は深い。
原題 DAS LEBEN DER ANDEREN
製作国 ドイツ
製作 Wiedemann & Berg Filmproduktion
製作 Bayerischer Rundfunk (BR)
製作 Arte
配給 アルバトロス・フィルム ALBATROS Co.,Ltd.
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク Florian Henckel von Donnersmarck
製作 クイリン・ベルク Quirin Berg
製作 マックス・ヴィーデマン Max Wiedemann
脚本 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク Florian Henckel von Donnersmarck
撮影 ハーゲン・ボグダンスキー Hagen Bogdanski
衣装デザイン ガブリエル・ビンダー Gabriele Binder
編集 パトリシア・ロンメル Patricia Rommel
音楽 ガブリエル・ヤーレ Gabriel Yared
音楽 ステファン・ムーシャ Stephane Moucha
出演 ウルリッヒ・ミューエ Ulrich Muhe
出演 マルティナ・ゲデック Martina Gedeck
出演 セバスチャン・コッホ Sebastian Koch
出演 ウルリッヒ・トゥクール Ulrich Tukur