
公開日 2006/11/25 125分
アメリカではとうに「9.11」を描いた作品が作られているが、日本では、漸く「阪神大震災」をまともに描いたメジャー作が公開された。
〝傷〟になかなか触れようとしない日本は、優しいのか、甘いのか。
何はともあれ、震災に見舞われた個々の人物を追うことで、震災全体を描くことに一応の成功は収めていると思う。
震災を描くにあたり一番のネックとなるのはやはり震災の画であろう。
ニュース映像を交えた地震の映像は、暗い最中の地震ということで特撮のアラからも免れている。
震災後の神戸の街のセットは邦画としてはたいしたもので、スケール、リアリティともに感じさせる。
赤井英和は地元に近い神戸の人間を演じることで自然さが窺える。
陰鬱な作品に陥ることを避けられた一番の要因は、赤井以上にユーモラスな人柄を演じた田中好子の力量に因るところが大きい。
薬師丸ひろ子も脇としてしっかりした演技を見せている。
震災シーンの表現をトピックとして挙げるよりも、ひたむきに、前向きに、懸命に生きる人間を正面から真面目に描いた表現が好ましい作品である。
原題 ありがとう
製作国 日本
製作・配給 東映
監督 万田邦敏 Manda Tokunishi
製作 仙頭武則 Sento Takenori
原作 平山讓 Hirayama Yuzuru
脚本 平山讓 Harayama Yuzuru
脚本 七字幸久 Shichiji Yukihisa
脚本 万田邦敏 Manda Kunitoshi
撮影 渡部眞 Watanabe Makoto
音楽 長嶌寛幸 Nagashima Hiroyuki
出演 赤井英和 Akai Hidekazu
出演 田中好子 Tanaka Yoshiko
出演 薬師丸ひろ子 Yakushimaru Hiroko
出演 尾野真千子 Ono Machiko
出演 前田綾花 Maeda Ayaka