公開日 2007/01/20 152分
『インファナル・アフェア』のリメイク。
オリジナルの背景をアメリカに移しただけではない。
アイルランド系移民の興隆を中心に据え、民族間の争いというアメリカの歴史描写にまで見事に昇華させている。
内容自体は、かなりコピー色の強い リメイクであるが、既にベテラン、「巨匠」とまでも謳われるスコセッシが、暴力をテーマにした内容を、溌剌と、エネルギッシュに描いている。
スコセッシについて私は、元々理路整然とした作品を得意とせず、荒削りな演出に冴えを見せる作家と認識している。
本作はその意味で、当たった作品であろう。
レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンもソツのない演技で、安心して見ることができる。
ジャック・ニコルソンに至っては洒落っ気も満載、余裕と貫禄の為せる技を見せている。
アイルランド移民黎明期、時代はジャックのような粗暴な男を必要とし、その民族の発展とともに、時代に不必要とされていく男の姿を見事に映している。
大作だけに、マーク・ウォールバーグやマーティン・シーンらにまで細かい心配りがなされ、それぞれに光る演技を見せている。
しかし、9.11後にニューヨークを描いた、渾身の『ギャング・オブ・ニューヨーク』などでオスカーを逸し続けたスコセッシが、頼まれ仕事のようにいやいや受けた本作で受賞するとは。
映画界ではよくある話だが、逆に力が抜けてよかったのか、不思議なものである。
原題 THE DEPARTED
製作国 アメリカ
製作 ワーナー・ブラザース Warner Bros. Pictures
製作 プランＢエンタテインメント Plan B Entertainment
製作 Initial Entertainment Group (IEG)
配給 ワーナー・ブラザース映画 Warner Bros. Entertainment, Inc.
監督 マーティン・スコセッシ Martin Scorsese
製作 マーティン・スコセッシ Martin Scorsese
製作 ブラッド・ピット Brad Pitt
製作 ブラッド・グレイ Brad Grey
製作 グレアム・キング Graham King
製作総指揮 Ｇ・マック・ブラウン G. Mac Brown
製作総指揮 ダグ・デイヴィソン Doug Davison
製作総指揮 クリスティン・ホーン Kristin Hahn
製作総指揮 ロイ・リー Roy Lee
製作総指揮 ジャンニ・ヌナリ Gianni Nunnari
ｵﾘｼﾞﾅﾙ脚本 アラン・マック Alan Mak
ｵﾘｼﾞﾅﾙ脚本 フェリックス・チョン Felix Chong
脚本 ウィリアム・モナハン William Monahan
撮影 ミヒャエル・バルハウス Michael Ballhaus
ﾌﾟﾛﾀﾞｸｼｮﾝﾃﾞｻﾞｲﾝ クリスティ・ズィー Kristi Zea
衣装デザイン サンディ・パウエル Sandy Powell
編集 セルマ・スクーンメイカー Thelma Schoonmaker
音楽 ハワード・ショア Howard Shore
出演 レオナルド・ディカプリオ Leonardo DiCaprio
出演 マット・デイモン Matt Damon
出演 ジャック・ニコルソン Jack Nicholson
出演 マーク・ウォールバーグ Mark Wahlberg
出演 マーティン・シーン Martin Sheen
出演 レイ・ウィンストン Ray Winstone
出演 ヴェラ・ファーミガ Vera Farmiga
出演 ジェームズ・バッジ・デール James Badge Dale