
公開日 2006/12/09 141分
太平洋戦争、硫黄島決戦を、日本軍からの視点で描き、『父親たちの星条旗』と対をなすイーストウッド作品。
幾つかの場面で、『父親たちの星条旗』と同じカットが使われるなど、同じ映像にも関わらず、視点(作品)の違いでこんなに違うのかと思わせる。
本作は『星条旗』と同じくウォッシュアウトされた画面であるが、イーストウッドらしさを更に感じさせない、敢えて「らしさ」を消したのではないかと思わせるほどの演出である。
評価の高かった『ラスト・サムライ』でさえ、「日本を理解できていない」感は強烈に感じたものであるが、本作は邦画と言われても分からないほどの内容であり、つくづくイーストウッド恐るべし、である。
ただ台詞が聞き取り難いという難が、外国人スタッフを連想させる部分かもしれない。
中村獅童の台詞でさえ聞き取り難い時があるのだから、俳優陣の問題というよりも、日本語に甘い録音スタッフの問題なのであろう。
演技については、渡辺謙は勿論、その他の俳優もよい。
登場シーンが多いにも関わらず、全く知らない俳優さんが多く、その辺りをチラシやパンフレットでカバーして欲しかった。
まったく分からずじまいになってしまうのが残念だ。
二宮和也は、当時の兵隊にしては軟弱すぎないかとも思えるが、確かに好演している。
手榴弾による自決はこうするのか・・・など、日本人でありながら初めて知った部分も多い。
お涙頂戴の悲劇ではなく、反戦の押し付けもない。
バランスの取れた視点から、戦争を深く抉った作品である。
原題 LETTERS FROM IWO JIMA
製作国 アメリカ
製作・配給 ワーナーブラザース
監督 クリント・イーストウッド Clint Eastwood
製作 クリント・イーストウッド Clint Eastwood
製作 スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg
製作 ロバート・ロレンツ Robert Lorenz
製作総指揮 ポール・ハギス Paul Haggis
原作 栗林忠道 Kuribayashi Tadamichi
原作 吉田津由子 Yoshida Tsuyuko
原案 アイリス・ヤマシタ Iris Yamashita
原案 ポール・ハギス Paul Haggis
脚本 アイリス・ヤマシタ Iris Yamashita
撮影 トム・スターン Tom Stern
美術 ヘンリー・バムステッド Henry Bumstead
美術 ジェームズ・J・ムラカミ James J. Murakami
衣装デザイン デボラ・ホッパー Deborah Hopper
編集 ジョエル・コックス Joel Cox
編集 ゲイリー・ローチ Gary Roach
音楽 カイル・イーストウッド Kyle Eastwood
音楽 マイケル・スティーヴンス Michael Stevens
出演 渡辺謙 Watanabe Ken
出演 二宮和也 Ninomiya Kazunari
出演 伊原剛志 Ihara Tsuyoshi
出演 加瀬亮 Kase Ryo
出演 松崎悠希 Matsuzaki Yuki
出演 裕木奈江 Yuki Nae