
公開日 2021/4/9 107分
★★★★★★★ 7.0
これはいい。
ボクシング映画なんだけど、ボクシング映画にとどまらない作品。
ボクシングは題材だけれども、ボクシング界でない世界にも通じる普遍的な内容になっている。
主人公は「すごくいい人」。ボクシング大好きマニアだけど、いかんせん、強くない。
端的に言えば才能がない。
幼なじみへの恋心も透けて見えるが、才能ある後輩と結婚してしまう始末。
その彼女が主人公にボクシングを始めたきっかけを尋ねるシーンは、見事に二人の関係性を表している。
幼なじみに勧められて始めて、今もやめられずに続けている主人公と、そのことをすっかり忘れている彼女。
物語は日本チャンピオンにまで駆け上がる才能ある強気な後輩と、女の子にモテたくて入門してきた新入りの、それぞれの苦悩を交えて進む。
またジムの会長の雰囲気が素晴らしい。
細部にまでリアルに作り込まれたストーリーは、30年以上のボクシング経験があるという監督らしく練りに練られている。
今のボクシングジムは北野誠(キッズ・リターン)の頃とはすっかり異なって、健全なスポーツ施設となっているのだろうか。
「何者にもなれない人の努力を肯定したかった」という監督・脚本の吉田恵輔だが、監督自身もまた多作ではあるが、海外の映画賞などに縁のない青組であるように思われる。
単なる根性ドラマの範疇に収まらない、高みを目指す普遍性が作品自体とリンクしている稀有な作品だ。
原題 BLUE/ブルー
製作国 日本
製作 「BLUE /ブルー」製作委員会
製作 東映ビデオ
製作 日活
製作 ファントム・フィルム
配給 ファインフィルムズ
監督 吉田恵輔 Yoshida Keisuke
脚本 吉田恵輔 Yoshida Keisuke
撮影 志田貴之 Shida Takayuki
美術 山崎輝 Yamazaki Hikaru
編集 清野英樹 Seino Hideki
音楽 かみむら周平 Kamimura Syuhei
音楽プロデューサー 津島玄一 Tsushima Genichi
主題歌 竹原ピストル Takehara Pistol
出演 松山ケンイチ Matsuyama Kenichi
出演 木村文乃 Kimura Fumino
出演 柄本時生 Emoto Tokio
出演 東出昌大 Higashide Masahiro
出演 守谷周徒 Moriya Syuto
出演 吉永アユリ Yoshinaga Ayuri
出演 竹原ピストル Takehara Pistol
出演 よこやまよしひろ Yokoyama Yoshihiro