滑走路

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公開日 2020/11/20  120分


★★★★ 4.0


本作は、悲劇の前と後の時代を行ったり来たりする構成だが、ラストは悲劇前の爽やかな一場面で幕を閉じる。
ならば、ラストは悲劇を予感させる、若しくはその後の落差を思い知らせるものでなければないだろうか。
ラストから「この子は将来・・・」と思わせないどころか、「いい別れ方だなぁ」と思ってしまうところは理解し難い。
悲劇前夜といっても、例えば「ヒロシマ前夜」を描いた作品が描く明るい結末とは根本的に異なると思う。

また、官僚の仕事に対する想いや、美術講師の嫉妬心など、なにを説明しているのか解り辛いサブストーリーも多い。
十分に練られておらず、即席感が強かった。
萩原慎一郎ブームに便乗したと思われても仕方ない出来と思える。

主人公の官僚は、自死を扱う業務を担当することになるが、それは自分の過去との出会いのきっかけとして用意されたものに終始してしまっている。
公が自死を社会問題とするような時代背景には暗澹とするし、逃れられない過去のトラウマにも恐れを抱く。
ただ、そこへの問題提起、訴えかけを主題としているようにも見えない、中途半端さが残念だ。

原題  滑走路

製作国 日本
製作 「滑走路」製作委員会
製作 埼玉県
製作 SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
製作 角川大映スタジオ
配給 KADOKAWA

監督 大庭功睦 Oba Norichika
原作 萩原慎一郎 Hagiwara Shinichiro
脚本 桑村さや香 Kuwamura Sayaka
撮影 川野由加里 Kawano Yukari
編集 松山圭介 Matsuyama Keisuke
音楽 永島友美子 Nagashima Yumiko
主題歌 Sano ibuki Sano ibuki

出演 水川あさみ Mizukawa Asami
出演 浅香航大 Asaka Koudai
出演 寄川歌太 Yorikawa Uta
出演 木下渓 Kinoshita Kei
出演 池田優斗 Ikeda Yuto
出演 吉村界人 Yoshimura Kaito
出演 染谷将太 Someya Syota
出演 水橋研二 Mizuhashi Kenji
出演 坂井真紀 Sakai Maki