合衆国最後の日

店舗イメージ

公開日 1977/05/21  125分


★★★★★★ 6.0


【ネタバレ】
公開当時、国の威信のためなら大統領も殺すという結末はまさに驚愕のラストだった。
しかしトランプ政権を経た今、大統領の権限はますます一極集中化し、そんな空気はどこにも感じられない。
時代の趨勢を感じるというものだ。

チャールズ・ダーニング演じる大統領は男気を見せるものの可哀想でもある。
「大統領はつらいよ」だ。

また映像的には、テロリストと国防軍のせめぎあいの時間軸を、並行に描く画面分割(スプリット)も効果を上げており、特に核ミサイルの管制室を牛耳るテロリストと、そこに忍び寄る軍隊を並行に映した映像は素晴らしい。

舞台の異なる物語の場合、ある場面の裏で流れている時間は、想像に任せたり、説明や時間軸をずらして補われるのが今の主流である。
これは人の視点として自然であるし、分割で描くことはまさに映画的であるが、表現方法としては、今や稀になってきている。
観客にとっても、本作のような緊迫感のある複数の画面を追うのがツラいというのもあるだろう。
字幕を読むのがツラいという時代でもあるのだから。
かといって緊迫感があるからこそ、画面分割は引き立つのでもあるが。

そういえば、デ・パルマの『カジュアリティーズ』という作品も画面分割が効果的に使われていた。

驚愕の物語にも、映画ならでは映像にも、時代の移ろいをたっぷり見せられる作品だ。
今や懐古的ではあるが楽しく観られた。

原題  TWILIGHT'S LAST GLEAMING

製作国 アメリカ
製作国 西ドイツ
製作 Bavaria Film
製作 Geria Productions
製作 Lorimar Film Entertainment
製作・配給 ヘラルド

監督 ロバート・アルドリッチ Robert Aldrich
原作 ウォルター・ウェイジャー Walter Wager
脚本 ロナルド・M・コーエン Ronald M. Cohen
撮影 ロバート・B・ハウザー Robert B. Hauser
プロダクションデザイン ロルフ・ツェヘットバウアー Rolf Zehetbauer
編集 マイケル・ルチアーノ Michael Luciano
編集 ウィリアム・マーティン William Martin
編集 モーリー・ワイントローブ Maury Winetrobe
音楽 ジェリー・ゴールドスミス Jerry Goldsmith

出演 バート・ランカスター Burt Lancaster
出演 リチャード・ウィドマーク Richard Widmark
出演 チャールズ・ダーニング Charles Durning
出演 ポール・ウィンフィールド Paul Winfield
出演 メルヴィン・ダグラス Melvyn Douglas
出演 ジョセフ・コットン Joseph Cotton
出演 バート・ヤング Burt Young
出演 リチャード・ジャッケル Richard Jaeckel