ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

店舗イメージ

公開日 2020/01/31  131分


★★★★★★ 6.0


資産家の殺人事件と探偵の謎解き。
古典中の古典の建付けをオリジナルでやった作品。
監督は『ルーパー』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン。今回は脚本も務めている。
ヒロイン役にアナ・デ・アルマス。『ブレード・ランナー』での鮮烈な役どころ以来の鑑賞だ。
探偵役にダニエル・クレイグ。ヒロインの証拠隠滅を見逃したり、家政婦との密会中にはイヤホンで音楽を聴きながら歌っていたり。007の敏腕なイメージを覆す、ヌケた役柄だ。ちょっとイラっとしたりもする。

事件後にさまざまな隠された秘密が明かされていき、意外な展開からヒロインに財産が渡されることになる。
ところがヒロインにも素直に財産を受け取れない事情があり・・・と、謎解きの風呂敷を広げていく鉄板の流れから、探偵が容疑者全員を一同に集めて謎解きをする。
アガサ・クリスティーや横溝正史原作の映画化と同様の組み立てであり、まさに推理劇の王道であるが、面白かった。
容疑者それぞれの台詞による秘密の暴露。観ていてもうっすら怪しいと思える容疑者の言動。
それらを背景に、唯一現実と思えるのがヒロインが隠そうと奮闘する秘密。

この唯一現実の事象と思えるヒロインの行動こそが謎解きの鍵になるのであるが…。

これらがテンポよく、時にユーモラスに描かれ、ずっと飽きることなく楽しみながら観ることができる。

ヒロインの善良さ優秀さが悲劇に大きな影を落とすという、しんみりとさせる結末も心憎い。

近頃観た推理劇では『オリエント急行殺人事件』(新版)が霞んでしまう。

コロナ禍がなければ劇場鑑賞していたとの思いに違わない娯楽作品だ。


原題 KNIVES OUT

製作国 アメリカ
製作 Lionsgate
製作 Media Rights Capital
製作 T-Street
配給 ロングライド

監督 ライアン・ジョンソン Rian Johnson
製作 ラム・バーグマン Ram Bergman
製作 ライアン・ジョンソン Rian Johnson
製作総指揮 トム・カーノウスキー Tom Karnowski
脚本 ライアン・ジョンソン Rian Johnson
撮影 スティーヴ・イェドリン Steve Yedlin
プロダクションデザイン デヴィッド・クランク David Crank
衣装デザイン ジェニー・イーガン Jenny Eagan
編集 ボブ・ダクセイ Bob Ducsay
音楽 ネイサン・ジョンソン Nathan Johnson

出演 ダニエル・クレイグ Daniel Craig
出演 クリス・エヴァンス Chris Evans
出演 アナ・デ・アルマス Ana de Armas
出演 ジェイミー・リー・カーティス Jamie Lee Curtis
出演 マイケル・シャノン Michael Shannon
出演 ドン・ジョンソン Don Johnson
出演 トニ・コレット Toni Collette
出演 レイキース・スタンフィールド Lakeith Stanfield
出演 クリストファー・プラマー Christopher Plummer