
公開日 1979/12/15 108分
★★★★★★★ 7.0
本作の公開時を憶えている。
脱獄劇といえば派手なアクションを期待し、スターキャストを楽しみにしていた私には、事実に基づいた地味な物語、地味なキャストから、映画館に向かう気分にはならなかった。
脱獄不可能といわれたアルカトラズ刑務所から脱獄した(生死は不明らしい)実録物語。だが、今こうして観ると、いや面白い。
ドン・シーゲルのヒリヒリとした冷たい緊張感を湛えた演出はここでも効果をあげている。
夜の雨の中、収監される主人公の背景はまったく語られない。
ただこの寡黙な男からは強烈な意志の強さが窺える。
刑務所内のアクの強い男たちの丁々発止のせめぎ合いや、カムフラージュのマネキンがバレそうになるシーンを始め、この脱獄不可能といわれた舞台ならではの静かな緊迫感がヒシヒシと伝わってくる。
"待つ"脱獄シーンは『抵抗(レジスタンス)死刑囚の手記より』を彷彿させた。
実在した脱獄犯は『パピヨン』のように名乗り出てはいないため、その成否は明らかではないものの、本作内では菊の花で印象的に暗示されている。
原題 ESCAPE FROM ALCATRAZ
製作国 アメリカ
製作 Paramount Pictures
製作 Malpaso Productions
配給 パラマウント
配給 CIC
監督 ドン・シーゲル Don Siegel
製作 ドン・シーゲル Don Siegel
製作総指揮 ロバート・デイリー Robert Daley
原作 J・キャンベル・ブルース J. Campbell Bruce
脚本 リチャード・タッグル Richard Tuggle
撮影 ブルース・サーティース Bruce Surtees
音楽 ジェリー・フィールディング Jerry Fielding
出演 クリント・イーストウッド Clint Eastwood
出演 パトリック・マクグーハン Patrick McGoohan
出演 ロバーツ・ブロッサム Roberts Blossom
出演 ジャック・チボー Jack Thibeau
出演 フレッド・ウォード Fred Ward
出演 ポール・ベンジャミン Paul Benjamin
出演 ラリー・ハンキン Larry Hankin
出演 ブルース・M・フィッシャー Bruce M. Fischer
出演 フランク・ロンジオ Frank Ronzio
出演 ダニー・グローヴァー Danny Glover