
公開日 2008/01/26 132分
★★★★★★ 6.0
黒澤組のスクリプターとして有名な野上照代の自伝を映画化。
太平洋戦争前夜に治安維持法違反として逮捕された夫が残した家族、妻と娘二人のひたむきな暮らしが描かれる。
夫の教え子、夫の妹などに支えられながら、慎ましく実直に暮らす家族が受ける苦難は、戦争によってもたらされる。
当時の価値観に染まった警察や、家財供出など戦争に踊らされている人々も含め、日々の暮らしに馴染んでしまっている戦争のリアルさは、日常生活を描いて右に出る者がいない巨匠の手腕だ。
政府の代弁者のように「悪法も法」と言い切ってしまう重鎮学者。
体面や上下関係を重んじるサディスティックな警察には、いつの時代にも現れる普遍的な匂いがする。
現在に時代が一気に飛ぶ展開はあまりに急で、「ナレーションで今まで聞いてたでしょ」と言われても、役者が 戸田恵子達に変わる展開には頭ではついていけても、情緒が追いつかない。
「死んでからなんて会いたくない。生きている間に会いたい」という台詞は、穏やかな主人公らしくないだけに、強く訴えかけられる。
吉永小百合が年齢不相応なのは予め知っていた。
檀れいは、この時代の清楚さが似合う強烈な美人。
厳格な父親よりも、いい加減な叔父が話しやすいのは、”親戚あるある”だ。
原題 母べえ
製作国 日本
製作 「母べえ」製作委員会
製作 松竹
製作 住友商事
製作 テレビ朝日
製作 博報堂DYメディアパートナーズ
製作 衛星劇場
配給 松竹
監督 山田洋次 Yamada Yoji
製作 深澤宏 Fukazawa Hiroshi
製作 矢島孝 Yajima Takashi
原作 野上照代 Nogami Teruyo
脚本 山田洋次 Yamada Youji
脚本 平松恵美子 Hiramatsu Emiko
撮影 長沼六男 Naganuma Mutsuo
美術 出川三男 Degawa Mitsuo
編集 石井巌 Ishii Iwao
音楽 冨田勲 Tomita Isao
ソプラノ 佐藤しのぶ Sato Shinobu
出演 吉永小百合 Yoshinaga Sayuri
出演 浅野忠信 Asano Tadanobu
出演 檀れい Dan Rei
出演 志田未来 Shida Mirai
出演 佐藤未来 Sato Miku
出演 中村梅之助 Nakamura Umenosuke
出演 笹野高史 Sasano Takashi
出演 倍賞千恵子 Baisyo Chieko
出演 戸田恵子 Toda Keiko
出演 大滝秀治 Otaki Hideji
出演 笑福亭鶴瓶 Syoufukutei Tsurube
出演 坂東三津五郎 Bando Mitsugoro