
公開日 2019/08/30 124分
★★★★★★★ 7.0
『秘密』というタイトルからもっとミステリ色の強い作品かと思っていたが、ミステリもサスペンスもそれほどではない。
ただ、私にとって馴染みのない「読書会」という設定については、当初はどうかと思ったが、引き込まれてしまった。
次第に明かされていく、読書会メンバーの共有する過去と、主人公の心の動きに最後まで見入ってしまった。
都会育ちである主人公が覚えた、ガーンジー島の人、暮らし、風景への郷愁的な想いの発露の理由は解らないが、観客の共感は得やすいかもしれない。
戦後間もない頃に、裕福な暮らしを捨てて、養豚の暮らしを取る勇気は、男性への恋心や養女への愛情もあるのだろうが、亡きエリザベスによって示された人生の指針なのだろう。
まあ、会ったこともない人間にここまで感化される想像力は、作家の資質を示すものでもあるだろう。
美しい風景の中に戦禍の傷を見せるガーンジー島の映像。
いきなりフラッシュする崩壊したビルの記憶に監督のセンスを感じる。
『ベイビー・ドライバー』から一転して、利発で初々しい作家を演じたリリー・ジェームズは、役柄よりも若い印象だが魅力的。
予定調和的なラストではある。
ただ、悲劇の物語であるが戦争の残忍さを強調することよりも、登場人物の思いに沿った美しい画面と爽やかな結末が相応しい、いい作品だと思う。
ポテト・ピール・パイは食べたいとは思わないが、久し振りにジンを飲みたくなった。
原題 THE GUERNSEY LITERARY AND POTATO PEEL PIE SOCIETY
製作国 フランス
製作国 イギリス
製作 Amazon Prime Video
製作 Blueprint Pictures
製作 Canal+
製作 Ciné+
配給 キノフィルムズ
監督 マイク・ニューウェル Mike Newell
製作 ポーラ・メイザー Paula Mazur
製作 ミッチェル・カプラン Mitchell Kaplan
製作 グレアム・ブロードベント Graham Broadbent
製作 ピーター・チャーニン Peter Chernin
製作総指揮 ディディエ・ルプファー Didier Lupfer
製作総指揮 ロン・ハルパーン Ron Halpern
製作総指揮 ジェニー・ボーガーズ Jenny Borgars
製作総指揮 ダーモット・マキヨン Diarmuid McKeown
原作 メアリー・アン・シェイファー Mary Ann Shaffer
原作 アニー・バロウズ Annie Barrows
脚本 ドン・ルース Don Roos
脚本 ケヴィン・フッド Kevin Hood
脚本 トーマス・ベズーチャ Thomas Bezucha
撮影 ザック・ニコルソン Zac Nicholson
プロダクションデザイン ジェームズ・メリフィールド James Merifield
衣装デザイン シャーロット・ウォルター Charlotte Walter
編集 ポール・トシル Paul Tothill
音楽 アレクサンドラ・ハーウッド Alexandra Harwood
出演 リリー・ジェームズ Lily James
出演 ミキール・ハースマン Michiel Huisman
出演 グレン・パウエル Glen Powell
出演 ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ Jessica Brown Findlay
出演 キャサリン・パーキンソン Katherine Parkinson
出演 マシュー・グード Matthew Goode
出演 トム・コートネイ Tom Courtenay
出演 ペネロープ・ウィルトン Penelope Wilton