パラサイト 半地下の家族

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公開日 2019/12/27  132分


★★★★★★★ 7.0


今、良識ある映画人がこぞってテーマとして描く格差社会。
本作では象徴的なモチーフを多用してブラックユーモア的に描いている。
パラサイトとは「寄生生物」の意味。
韓国特有の半地下に暮らす貧困家族の大学浪人息子が、高台の豪邸の家庭教師として潜り込んだことから、妹、父親、母親と次々と使用人として"寄生"していく。
丘の上、半地下、地下のみならず、"仕切り"を隔てた格差が至るところで描かれる。
そして格差を感じさせるのが「匂い」という映画における表現の巧さ。
今の時代、視覚的に判るモノで格差を表現するのは、批判の対象にもなり易く、あまりにも危うい。
しかし、映画における匂いは観客には判らない。
便器が高い位置でむき出しになっているなどが暗に使われいるものの、役者の表情などから汲み取るしかないのだ。
あり得ないと思われる物語も、予め張られた伏線とスピーディな展開で畳み掛ける。
貧しさと裕福それぞれの階層におけるシリアスとユーモア。
特にユーモアについてはコメディ作品ともいえる。
高いレベルで娯楽性と社会性のバランスのとれた作品だ。
昨年のアカデミー賞作品賞の『グリーンブック』の反省?からか、急激に反差別・反格差に舵を切り、多様性重視の追い風を受けたとはいえ、十分に受賞に値する作品である。


原題 PARASITE

製作国 韓国
製作 Barunson E&A
製作 CJ E&M Film Financing & Investment Entertainment
製作 CJ Entertainment
製作 TMS Comics
製作 TMS Entertainment
配給 ビターズ・エンド

監督 ポン・ジュノ Bong Joon-ho
製作 クァク・シネ Kwak Sin-ae
製作 ムン・ヤングォン Yang-kwon Moon
プロデューサー チャン・ヨンファン Jang Yeong-hwan
脚本 ポン・ジュノ Bong Joon-ho
脚本 ハン・チンウォン Han Jin-won
撮影 ホン・ギョンピョ Hong Kyung-pyo
プロダクションデザイン イ・ハジュン I Ha-Jun
編集 ヤン・チンモ Yang jin-mo
音楽 チョン・ジェイル Jung Jaeil

出演 ソン・ガンホ Song Kang-ho
出演 イ・ソンギュン Lee Sun-kyun
出演 チョ・ヨジョン Jo YeoJung
出演 チェ・ウシク Choi Woo-Shik
出演 パク・ソダム Park So-Dam
出演 イ・ジョンウン Lee Jung-Eun
出演 チャン・ヘジン Jang Hye-jin
出演 チョン・ジソ Jung Ziso