
公開日 2018/09/14 137分
安田顕、ナッツ・シトイ、木野花が、それぞれが苦しみの末に破綻していく。
言葉の壁に象徴されるが、それぞれの必死な思いを伝えられない不器用さは、 思いもよらない誤解も生じて、あちこちで暴発していく。
意思疎通の取れない3人の暴発はマンガ的、ドラマ的であって、 矛盾に満ちて脈絡なく起こるので、観客の視点が定まり辛い。
また、なぜ嫁探しにフィリピンだったのか?など、行動理由が「やけくそ」であったりして、 不運の連鎖という言葉では収まらない展開もフォローし辛い。
表現を知らないに留まらず、木々に「アイリーン」と彫り続ける様は 純愛の範疇を超えて狂気だ。
そういった意味で、「ぶっ飛んだ」という表現の作品を好む人向けかもしれない。
フィリピンオーディションで抜擢したというナッツ・シトイは絶妙なキャスティングだ。
美人ではないが、可愛さやいじらしさ、健気さ、頑張りといったものを表現できる女優さんだ。
昭和初期までの"百円工女"的な作品が思い出されるが、これもフィリピン妻を描くにあたっての狙いなのだろうか。
安田顕は無難な感じ。
時に、何を考えているのか分からない役柄は難しい。
木野花のぶっ飛んだ役柄は、あちこちで評価されているが。
伊勢谷友介の人身売買ヤクザ、やりまんシングル・マザーの河井青葉は印象的。
認知症の家族が居る家庭に銃があることなど、ディテールのあちこちに矛盾を抱えているため、細部を気にせず、登場人物の心理展開を楽しむ作品だろう。
原題 愛しのアイリーン
製作国 日本
製作 2018「愛しのアイリーン」フィルムパートナーズ
製作 バップ
製作 スターサンズ
製作 朝日新聞社
配給 スターサンズ
監督 吉田恵輔 Yoshida Keisuke
製作 佐藤順子 Satoh Junko
製作 行実良 Ykizane Ryo
製作 飯田雅裕 Iida Masahiro
エグゼクティブプロデューサー 河村光庸 Kawamura Mitsunobu
エグゼクティブプロデューサー 岡本東郎 Okamoto Haruo
原作 新井英樹 Arai Hideki
脚本 吉田恵輔 Yoshida Keisuke
撮影 志田貴之 Shida Takayuki
音楽 ウォン・ウィンツァン Wong Wing Tsan
出演 安田顕 Yasuda Ken
出演 ナッツ・シトイ Natileigh Sitoy
出演 河井青葉 Kawai Aoba
出演 ディオンヌ・モンサント Dionne Monsanto
出演 福士誠治 Fukushi Seiji
出演 品川徹 Shinagawa Tohru
出演 田中要次 Tanaka Youji
出演 伊勢谷友介 Iseya Yusuke
出演 木野花 Kino Hana