
公開日 2017/09/09 129分
この作品の評価の大きな分岐点は「概念を盗む宇宙人」に乗れるか否かだと思う。
「概念を盗む」ってなんだ?
そもそも盗めるものなのか?
いや、個々の概念とかじゃなくって全部盗めないの?
夫が宇宙人と判ってもつきまとう長澤まさみがいじらしい。
前作の竹内結子と同様に、いかにも危ないものに寄っていく感覚が解り辛いので感情移入はし辛いものの、長澤まさみに引っ張られて観たという感じ。
宇宙人と判ってつきまとう長谷川博己は鬱陶しい。
笹野高史率いる厚労省の役人は、前作『クリーピー』の刑事と同様、型に嵌まった間抜けさだ。
社会が異変に関知しようとしないというのも、言論統制や右傾化が囁かれる現代に対する提示のようには感じられるものの、宇宙人ものでそれをされても興ざめではある。
宇宙人の暴力的な所業や残酷さは愛がないゆえで、 愛が理解できた途端に世界が違って見えるというのも定型的だ。
愛をなくした途端に動けなくなるのも頭では理解できるが、個人的には概念とは言葉だと思うので、愛という概念だけをなくしても、例えば慈しみや恋慕の概念で補えないのだろうかとか、ひねくれて考えてしまう。
黒沢清が演出するSF映画というものに惹かれて観たが、あちこちで感じた"腑に落ちない"感覚に、黒沢らしさは出ている。
SFを撮っても黒沢は黒沢だった。
製作国 日本
製作 日本テレビ
製作 日活 Nikkatsu
製作 WOWOW
製作 松竹 Syochiku
製作 読売テレビ
製作 ポニーキャニオン PONY CANYON INC.
製作 ニッポンプランニングセンター ニッポンプランニングセンター
製作 オフィス作 office saku inc.
製作 ヒラタオフィス Hirata Office co,ltd.
配給 松竹 Syochiku
配給 日活 Nikkatsu
監督 黒沢清 Kurosawa Kiyoshi
製作 中山良夫 Nakayama Yoshio
製作 永山雅也 Nagayama Masaya
製作 大村英治 Omura Eiji
製作 ポーラ・メイ・シュワルツ Paula Mae Schwartz
製作総指揮 門屋大輔 Kadoya Daisuke
エグゼクティブプロデューサー 千葉善紀 Chiba Yoshinori
エグゼクティブプロデューサー 青木竹彦 Aoki Takehiko
原作 前川知大 Maekawa Tomohiro
脚本 田中幸子 Tanaka Sachiko
脚本 黒沢清 Kurosawa Kiyoshi
撮影 芦澤明子 Ashizawa Akiko
美術 安宅紀史 Ataka Norifumi
編集 高橋幸一 Takahashi Koichi
音楽 林祐介 Hayashi Yusuke
VFXディレクター 横石淳 Yokoishi Jun
出演 長澤まさみ Nagasawa Masami
出演 松田龍平 Matsuda Ryuhei
出演 長谷川博己 Hasegawa Hiroki
出演 高杉真宙 Takasugi Mahiro
出演 恒松祐里 Tsunemaatsu Yuri
出演 前田敦子 Maeda Atsuko
出演 満島真之介 Mitsushima Shinnosuke
出演 笹野高史 Sasano Takashi
出演 児嶋一哉 Kojima Kazuya
出演 光石研 Mitsuishi Ken
出演 東出昌大 Higashide Masahiro
出演 小泉今日子 Koizumi Kyoko