
公開日 2017/01/27 133分
これほどまで酷いリメイクは思い出せない程、久々だ。
本作には『七人の侍』はおろか、 『荒野の七人』のエッセンスはどこにもない。
まず、七人それぞれが村を守る動機づけがほぼない。
その動機の違いが七人の個性でもある筈なのにすっかり省かれている。
更に、強烈な個性の七人を集める前半が物語の面白みである筈なのに、 昔の知り合いを尋ねたらもう一人付いてきた、みたいな展開には唖然とする。
そして驚嘆のラストでは主人公が村を守る動機は復讐だったことが明かされる。
どうりで村人達の描写が薄い訳だ。
その土地で暮らす貧しい農民への共感がなければ、この作品は成り立たない。
だがこの作品は残念なことに復讐の物語にしてしまった。
『荒野の七人』で農民の子供が 「親父たちは弱虫だ。おじさんたちのようなガンマンになりたい」 というのに対して、 「本当に強いのは親父さんたちだ。
親父さんたちの暮らしは岩より重いんだ。」 というチャールズ・ブロンソンの台詞があったと思う。
この台詞や、結局最後に勝ったのはガンマンではなく農民たちだったというラストが 『荒野の七人』の核である筈である。
唯一の新味は、人種・民族の差別に対する怒りでなのであるのだが、 これをオリジナルに置き換えるのは飛躍が過ぎるし、 そのため焦点がぼやけてしまった。
西部劇のヒーローものをやりたいのなら、よそでやってくれ。
嫌な予感がしつつも借りた私が悪かった。
もうアントワーン・フークアは観ない。
そのための備忘録として書いてみた。
原題 THE MAGNIFICENT SEVEN
製作国 アメリカ
製作 Metro-Goldwyn-Mayer Metro-Goldwyn-Mayer
製作 コロムビア映画 Columbia Pictures Corporation
製作 Lstar Capital Lstar Capital
配給 ソニーピクチャーズエンターテインメント Sony Pictures Entertainment Japan lnc.
監督 アントワーン・フークア Antoine Fuqua
製作 ロジャー・バーンバウム Roger Birnbaum
製作 トッド・ブラック Todd Black
製作総指揮 ウォルター・M・ミリッシュ Walter M. Mirisch
製作総指揮 アントワーン・フークア Antoine Fuqua
製作総指揮 ブルース・バーマン Bruce Berman
製作総指揮 ベン・ウェイスブレン Ben Waisbren
脚本 ニック・ピゾラット Nic Pizzolatto
脚本 リチャード・ウェンク Richard Wenk
撮影 マウロ・フィオーレ Mauro Fiore
プロダクションデザイン デレク・ヒル Derek Hill
衣装デザイン シャレン・デイヴィス Sharen Davis
編集 ジョン・ルフーア John Refoua
音楽 ジェームズ・ホーナー James Horner
音楽 サイモン・フラングレン Simon Franglen
出演 デンゼル・ワシントン Denzel Washington
出演 クリス・プラット Chris Pratt
出演 イーサン・ホーク Ethan Hawke
出演 ヴィンセント・ドノフリオ Vincent D'Onofrio
出演 イ・ビョンホン Lee Byung-hun
出演 マヌエル・ガルシア=ルルフォ Manuel Garcia-Rulfo
出演 マーティン・センスマイヤー Martin Sensmeier
出演 ヘイリー・ベネット Haley Bennett
出演 ピーター・サースガード Peter Sarsgaard
出演 ルーク・グライムス Luke Grimes
出演 マット・ボマー Matt Bomer
出演 ヴィニー・ジョーンズ Vinnie Jones