
公開日 2015/06/27 121分
『そこのみにて光輝く』の呉美保監督作品。
監督の作家性や社会的意図が際立った作品。
登場する子供たちすべてを可能性溢れる存在=いい子と描く一方で、親や教師といった周囲の大人の複雑な事情や、そこから生まれる虐待を描いている。
地方の不況や独居老人などの暗いテーマを扱いながらも、苦労知らずの新人教師の成長物語を根幹に置くことで、全体的にも余韻的にも爽やかな印象を与えることに成功している。
前作のドロドロとした印象とはまったく異なった作品になっている。
前監督作でほぼ主役の池脇千鶴が平面的な屈託のない主婦だとは予想しなかったので、そこには意外性はなかったが、常にピリピリとした緊張感に居る尾野真千子、
今も戦争の傷に苛まれる喜多道枝など、適役が配されている。
時折ドキュメンタリーのように見える登場人物の描き方が、作為的に思えたりもするが、そこが監督の意図(意志)のようにも思えるため、不快とは思わない。
今、最も注目される女性監督だ。
製作国 日本
製作 アークエンタテインメント ARK Entertainment, Inc.
配給 アークエンタテインメント ARK Entertainment, Inc.
監督 呉美保 O Mipo
製作 川村英己 Kawamura Hideki
プロデューサー 星野秀樹 Hoshino Hideki
原作 中脇初枝 Nakawaki Hatsue
脚本 高田亮 Takada Ryo
撮影 月永雄太 Tsukinaga Yuta
美術 井上心平 Inoue Shinpei
編集 木村悦子 Kimura Etsuko
音楽 田中拓人 Tanaka Takuto
メインテーマ ヴァスコ・ヴァッシレフ Vasko Vassilev
出演 高良健吾 Takara Kengo
出演 尾野真千子 Ono Machiko
出演 池脇千鶴 Ikewaki Chizuru
出演 高橋和也 Takahashi Kazuya
出演 喜多道枝 Kita Michie
出演 黒川芽以 Kurokawa Mei
出演 内田慈 Uchida Chika
出演 松嶋亮太 Matsushima Ryota
出演 加部亜門 Kabe Amon
出演 富田靖子 Tomita Yasuko