
公開日 2015/12/23 133分
スピンオフといえども、ロッキー・シリーズとあらば観ないわけにはいかない。
主人公はロッキーではなくて、アポロ・クリードの息子。これまで一切語られることのなかった存在に興味は沸く。
なので、オープニングにロッキーのテーマは流れない。
その生い立ちは驚くべきものではなく、予想の範囲内。粗野に貧しく育った幼少期と、裕福な生活に転じた成長期。与えられた環境の中で、常に満たされない想いは若者らしくていい。
ただ、ボクシングに傾倒するのは何故なのか、父親の影響なのか、その血ゆえなのか。
クリードが挑むチャンピオンは餓えと貧しさと怒りの象徴のような男。
リング上では貧しさや裕福といった背景は関係ないという根源的な描写には好感が持てる。
ただ、 愛人の子供という偏見に対するものも含めた、 自分の存在を証明したいという想いは、ロッキー第1作目の「15ラウンド終わってリングに立っていられたら、ただのやくざものでなかったことを証明できる」といった人生を賭けた想いには及ばない。
そんなクリードがダウンから立ち上がらせるものは、稲妻に浮かぶアポロのイメージだ。
これは父親への想いではなく、身体に潜んでいた父親の、ボクサーの血だと思う。
ただ、クリードのボクシング・スタイルが、アポロとは大きく異なるのは残念。その血を描くなら、自然と同じボクシング・スタイルになるファイトが見たかった。
アポロのスタイルは、モハメド・アリを模倣したものと思われるし、今の主流ではないのかもしれないが、演じるカール・ウェザースは本当に強そうだった。
作品に散りばめられた懐かしのトレーニングも嬉しい。
その中で3度戦ったロッキーVSアポロの3戦目(ロッキーⅢのラスト)の結果も知らされる。
あまり気にしてはいなかったのだが、なるほどと思わせられた。
相変わらず、エイドリアンのお墓参りをしているロッキー自身の、新たな闘いも描かれ、スタローンも魅力的だ。
原題 CREED
製作国 アメリカ
製作 Metro-Goldwyn-Mayer
製作 New Line Cinema
製作 ワーナー・ブラザース Warner Bros. Pictures
配給 ワーナー・ブラザース映画 Warner Bros. Entertainment, Inc.
監督 ライアン・クーグラー Ryan Coogler
製作 ロバート・チャートフ Robert Chartoff
製作 アーウィン・ウィンクラー Irwin Winkler
製作 チャールズ・ウィンクラー Charles Winkler
製作 ウィリアム・チャートフ William Chartoff
製作 デヴィッド・ウィンクラー David Winkler
製作 ケヴィン・キング・テンプルトン Kevin King Templeton
製作 シルヴェスター・スタローン Sylvester Stallone
製作総指揮 ニコラス・スターン Nicolas Stern
脚本 ライアン・クーグラー Ryan Coogler
脚本 アーロン・コヴィントン Aaron Covington
撮影 マリス・アルベルチ Maryse Alberti
衣装デザイン エマ・ポッター Emma Potter
衣装デザイン アントワネット・メッサン Antoinette Messam
編集 マイケル・P・ショーヴァー Michael P. Shawver
編集 クローディア・S・カステロ Claudia S. Castello
音楽 ルートヴィッヒ・ヨーランソン Ludwig Goransson
音楽監修 ゲイブ・ヒルファー Gabe Hilfer
出演 シルヴェスター・スタローン Sylvester Stallone
出演 マイケル・B・ジョーダン Michael B. Jordan
出演 テッサ・トンプソン Tessa Thompson
出演 フィリシア・ラシャド Phylicia Rashad
出演 アンソニー・ベリュー Anthony Bellew
出演 グレアム・マクタヴィッシュ Graham McTavish