
公開日 2014/12/20 113分
前評判の良さからかなりの期待をしていたものの日程が合わずに諦めていたのだが、意外にも遅れて公開される機会を得て飛びついた。
公開間もない『アメリカン・スナイパー』を後に回しての鑑賞だ。
たが、それだけの価値ある作品だった。
久々に、燃える映画、ジャンルも「ボクシング映画」と言ってしまっていいだろう。
安藤サクラは、既にいい女優さんだったが、益々凄みが増している。
主人公のシェイプアップされていく肉体、身体のキレのみならず、目付き、雰囲気まで引き締まっていく様子を観ているだけで、血沸き肉踊る感覚だ。
しかも、肉体の強さとともに、心の成長、優しさも醸し出すところに痺れる。
たった4Rの試合(実際は3R)なのだが、これほど激しいとは。
現実にはダメなヤツらにスポットが当たることは、なかなかないのかもしれない。
ラストの涙は、負け犬のそれではない。激しい悔しさは、それに値するだけの努力の証だ。
新井浩文の「頑張ってるヤツを見るのが嫌い」という台詞があるが、それが別れた理由のように言っているが、それは明らかな嘘だ。
自分に突きつけられた限界と、諦めざるを得なかったボクシングに挑んでいる彼女を見ているのが辛かったのか。
ラスト、二人だけに分かち合えた想いは、永遠に続くものではなく、刹那的なものかもしれない。
元々、主人公が怠惰な生活に陥った要因は一切描かれないが、彼女がこの物語で得たものを思うと、「もう大丈夫」という気がする。
久々に観た人間の復活と再生の物語。
心のささくれを一掃してくれた熱く強い映画だった。
英題 百円の恋
製作国 日本
製作 東映ビデオ
配給 SPOTTED PRODUCTIONS
監督 武正晴 Take Masaharu
製作 間宮登良松 Mamiya Toramatsu
製作 佐藤現 Sato Gen
製作 平体雄二 Hiratai Yuji
製作 狩野善則 Kanoh Yoshinori
企画 黒澤満 Kurosawa Mitsuru
エグゼクティブプロデューサー 加藤和夫 Katoh Kazuo
脚本 足立紳 Adachi Shin
撮影 西村博光 Nishimura Hiromitsu
美術 将多 Syouta
衣装デザイン 宮本まさ江 Miyamoto Masae
編集 洲崎千恵子 Suzaki Chieko
音楽 海田庄吾 Kaida Syogo
主題歌 クリープハイプ Creephyp
出演 安藤サクラ Andou Sakura
出演 新井浩文 Arai Hirofumi
出演 稲川実代子 Inagawa Miyoko
出演 早織 Saori
出演 宇野祥平 Uno Syouhei
出演 重松収 Shigematsu Osamu
出演 根岸季衣 Negishi Toshie