公開日 2014/08/09 105分
インド映画侮れず…だ。
正直、楽しめた。
弁当配達人を始めとするカルチャーショックもそこここにある。
電車の中で野菜を刻むとか、日本ではあり得ないシーンも楽しめる。
その弁当配達人の誤配から始まる、ありがちなラブコメかと思っていたのだが、いやいや結構大人の物語なのだ。
インド映画に付き物と思っていた歌や踊りがなくても、ストーリーだけで十分だ。
その確率、600万分の１と言われるインドの弁当の誤配。予期せず簡単に知り合った二人なのに、いざ逢うとなると難しいという展開が面白い。
この二人が出逢うことはもとより、そもそもうまくいくのかも分からない。それぞれに問題を抱え、年齢も離れた二人。
『別離』のように親の介護は今やどこの国でも問題なのだ。
そして『きっと、うまくいく』で描かれているように、インドはやはり競争大国であり、自殺大国なのだ。やがて世界一の人口を抱えることになるこの国は、日本では目覚ましい発展で捉えられがちだが、この作品では早期退職もテーマとして描かれ、明るく盛り上がった雰囲気は窺われない。
幸せの国ブータンに憧れるのは日本と同じだ。
だが、求める幸せはブータンにあるのではないと判った男は、それだけで幸せだろう。
主人公達、特に女性が伯母に話しかける言葉のイントネーション、雰囲気がどこか日本語っぽい。やはりアジア圏はどこか親しみを感じさせられる。
そして何よりもこの作品の魅力はラスト。
やさしく爽やかな余韻が深く残る。
映画は完成度のみを競うものではない。その意味でとてもいい作品だと思う。
原題 DABBA
製作国 インド製作国 フランス
製作国 ドイツ
製作 Sikhya Entertainment
製作 DAR Motion Pictures
製作 National Film Development Corporation of India
配給 ロングライド
監督 リテーシュ・バトラ Ritesh Batra
製作 グニート・モーンガー Guneet Monga
製作 アヌラーグ・カシャプ Anurag Kashyap
製作 アルン・ラングチャーリー Arun Rangachari
製作総指揮 リディア・ディーン・ピルチャー Lydia Dean Pilcher
製作総指揮 イルファン・カーン Irrfan Khan
製作総指揮 リテーシュ・バトラ Ritesh Batra
脚本 リテーシュ・バトラ Ritesh Batra
撮影 マイケル・シモンズ Michael Simmonds
美術 シュルティ・グプテー Shruti Gupte
編集 ジョン・ライオンズ John Lyons
音楽 マックス・リヒター Max Richter
出演 イルファン・カーン Irfan Khan
出演 ニムラト・カウル Nimrat Kaur
出演 ナワーズッディーン・シッディーキー Nawazuddin Siddiqui
出演 デンジル・スミス Denzil Smith
出演 バーラティー・アーチュレーカル Bharati Achrekar
出演 ナクル・ヴァイド Nakul Vaid
出演 ヤシュヴィ・プニート・ナーガル Yashvi Puneet Nagar
出演 リレット・デュベイ Lillete Dubey