
公開日 1954/11/03 97分
半世紀を越えて作り続けられるゴジラ・シリーズはその時代を映す以上に、原点となる本作の出来映えによるところが大きいと思う。
本作でのゴジラは単なる怪獣ではなく、観る側によって幾つもの象徴と受けとめることができる。
荒ぶる神であったり、戦争の亡霊であったり、核の象徴であったり、と。
そしてそれらに相応しいゴジラの造形が圧巻。
凄いセンスだ。
卓越したストーリーであっても、この造形がなければここまでの名作には至らなかったのは明白だ。
作り手の気迫が伝わる数少ない映画、ゴジラ。スゲエ。
コミカルなところがあっても明るい物語じゃない。
『みなさん、さようならー』は笑いを取ろうとしているのだろうか。
妙に笑えない。
だって終戦後まだ9年にして、この破壊の物語だもの。
芹沢博士はヒーローでもないだろう。
今なお、映画「ゴジラ」が作り続けられるのは何故か。
それはこの突出した第1作があるからに他ならないが、それを追った作品達が逆に第1作の価値を貶めているようにも思えてしまうのが残念だ。
とにかく、ゴジラを「ウルトラマン」の怪獣と同列に見ている人はこの第1作を観て欲しい。
破壊のその意味、恐ろしさを感じさせる、過去の破壊を思い出させる、想いを馳せさせるのが映画「ゴジラ」の真価だ。
原題 ゴジラ / GODZILLA:THE KING OF MONSTERS
製作国 日本
製作 東宝 TOHO
配給 東宝 TOHO
監督 本多猪四郎 Honda Ishiro
製作 田中友幸 Tanaka Tomoyuki
原作 香山滋 Kayama Shigeru
脚本 村田武雄 Murata Takeo
脚本 本多猪四郎 Honda Ishirou
撮影 玉井正夫 Tamai Masao
美術 中古智 Nakako Satoshi
美術 北猛夫 Kita Takeo
編集 平泰陳 Taira Souchin
音楽 伊福部昭 Ifukube Akira
特殊技術 円谷英二 Tsuburaya Eiji
出演 志村喬 Shimura Takashi
出演 河内桃子 Kouchi Momoko
出演 宝田明 Takarada Akira
出演 平田昭彦 Hirata Akihiko
出演 堺左千夫 Sakai Sachio
出演 菅井きん Sugai Kin
出演 村上冬樹 Murakami Fuyuki
出演 山本廉 Yamamoto Yasushi