
公開日 1955/08/12 100分
フレンドリーで、フランクで、プライドが高くて、潔癖症。
ベネチアを録るハンディカメラはおそらく相当な高級品で、彼女のキャリアを表しているのだろう。
婚期を逸しつつある年齢に不安を抱きつつも、恋に憧れる乙女でもある。
論理的であるのに意固地でヒステリックな性格を合わせ持つややこしい女性を演じるキャサリン・ヘップバーンが素晴らしい。
自らを律するという成長を見せる潔さも男前だ。
そしてデヴィッド・リーンのカメラワークの妙。
手が届かずに流れされていくクチナシの花。
超有名なラストだけど、主人公の意に反してホロッときたよ。
一見プレイボーイに見えるが、この男の誠実さが窺える。
遅れてしまうのはドラマ上の必然ではなく、イタリア人の必然なのかな。
誰もが旅にはそれぞれの理想を重ね合わせるもの。
しかし、飢えているならステーキを望まず、目の前のラビオリを食べろというのもイタリアっぽい例えだと思う。
イタリアでなければ恋は芽生えず、イタリアでなければ恋は実った、かも。
美しいイタリアの旅を描いた、"イタリアらしい"名作。
原題 SUMMERTIME
製作国 イギリス
製作 London Film Productions
配給 United Artists
配給 松竹
監督 デヴィッド・リーン David Lean
製作 イルヤ・ロパート Ilya Lopert
脚本 H・E・ベイツ H. E. Bates
脚本 デヴィッド・リーン David Lean
撮影 ジャック・ヒルデヤード Jack Hildyard
音楽 アレッサンドロ・チコニーニ Alessandro Cicognini
出演 キャサリン・ヘプバーン Katharine Hepburn
出演 ロッサノ・ブラッツィ Rossano Brazzi
出演 イザ・ミランダ Isa Miranda
出演 ダーレン・マクギャヴィン Darren McGavin
出演 マリ・アードン Mari Aldon